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2010/ 3/16 第25号 信者・ブランド・偶像崇拝(3)

平成24年 2月29日(水):初稿
横浜弁護士会所属 大山滋郎弁護士作

 前号は、商標のことを考えるときには、それが信者のためになるかどうかをまず考えるべきだということで終わりました。しかし、現実には、これはかなり難しいようですね。

 そもそも、真似されることは必ずしも、信者にとって嫌なことではないようです。スーパーなんかでは、万引きもされないような商品は、人気が無いから駄目だなんて言われるそうです。自分の持っている商品が、誰にも真似されないようなものだということは、信者にとって、必ずしも嬉しいことではないのでしょう。

 その一方、高いお金を出して購入したブランド品の偽物が溢れていると、自分のものまで偽物に思われそうで不愉快だという気持ちもあるそうです。「しっかり取り締まって欲しい!」と、うちの妻も怒ってました!このように、何が信者のためになるか自体、難しいのですね。だからといって、商標の問題を考えるときに、信者の視点を持たないでよいということにはなりません。

 しかし、商標法の教科書を読んで勉強しますと、なんか「ちょっと違うなあ。」という気持ちを抑えがたいのです。普通の人は、商標法の勉強なんかしないでしょうが、まず言葉からして違うんですね。たとえば、商標の読み方は「称呼」(しょうこ)というんです。最初に見たときは、呼称の誤植かと思いましたね。商品を買う一般人のことは、「需要者」だなんて言います。そりゃ需要があるから買うんでしょうが、「そんなのありなの。」と思いましたね。商標の3つの機能ということで、「出所表示機能」「品質保証機能」「広告宣伝機能」なんていうのも暗記しました。

 まあ、読んだだけではなんのこったか分かりませんが、勉強すれば、「なるほどな。」と思うところもあります。しかし商標は、お客様、なかんずく信者のためにあるのだというところが、本当に分かっているのだろうかという疑問も抑えがたいのです。

 たしか、ハインラインのSFだと思うのですが、大事故にあって全ての記録が消失し、漂流している巨大宇宙船の話しがありました。何千年にも渡って、宇宙船の内部では、船の操作マニュアルを聖典とあがめて、それに形而上学的な解釈を加える学問が発達していたのです。

 マニュアルですから、本来は、その宇宙船で宇宙を飛ぶにはどうすればよいかが書かれているわけです。しかし、自分達自身が宇宙を飛ぶのだということを考えもしない人たちが、ピントのはずれた解釈をほどこすわけです。そんな中、これは、宇宙船を飛ばすためのことが書いてあるのではと考える主人公が現れて、他の人達に自分の考えを伝えていくといった話しだったはずです。

 自分自身で商売をして、信者を増やしていくのだということを考えもしない人たちが、商標について発言している気がしてなりません。商標の法律というのは、「商標」を守ることが書かれているのではない、「信者」を増やし、「信者」を守ることが書かれているのだということを、私も伝えていけたらと思っているのです。

 1年前の本日、第1号を出したニュースレターも、これで25号となりました。1年間のご愛読有難うございます。今後とも宜しくお願い致します。

 
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 弁護士より一言

 最近、探し物が見つからないで、大騒ぎをすることが増えてきたように思います。先日は、お風呂上りにパンツが見つからず、「何でどこにも無いんだあああ。パンツ10枚くらい買っといてよ」と叫んでたんですね。

 すると、小学校2年生の娘が来て言いました。「パパ、大丈夫だよ。パパのお誕生日に、パンツをプレゼントしてあげるからね。」つまらないことで大騒ぎをしている父親を、暗に諌めようとしているのかな?と、思わず娘の顔を見てしまいましたね。しかし、どうも本気で、パンツが不足しているパパに、プレゼントしようと考えてくれたみたいです。さすがにこれは、こたえました。また、私の誕生日である3月16日が巡ってきました。

 誕生日に当たり、せめて今年は、「パンツが見つからなくても大騒ぎをしない、尊敬される父親になろう。」と、心に誓ったのでした。引き続きコメントやご質問を楽しみにしております。

 (2010年3月16日第25号)
以上:1,686文字

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