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家事事件手続法での高等裁判所決定への許可抗告に関する覚書

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平成28年11月 4日(金):初稿
○「家事事件手続法での高等裁判所決定への特別抗告に関する覚書」で
上告受理の申立が出来る要件は、
①これまでの最高裁判断がない解釈問題、
②最高裁の従前判断を変更すべき場合、
③高裁判断に誤った法令解釈が含まれこれを是正すべき場合
ですが、特別抗告において、これらの問題で最高裁判断を得たいときは、おそらくこの問題を憲法第32条『何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪はれない。』違反と称して理由付けすることになると思われます

と記載していましたが、これは明確な誤りで、不勉強をお詫び申し上げます。

○高裁決定に対する上記②最高裁の従前判断を変更すべき場合等の制度は、「特別抗告」ではなく、平成8年法律第109号(施行日平成10年1月1日)で導入された以下の「許可抗告」でした。
民事訴訟法第337条(許可抗告)
 高等裁判所の決定及び命令(第330条の抗告及び次項の申立てについての決定及び命令を除く。)に対しては、前条第1項の規定による場合のほか、その高等裁判所が次項の規定により許可したときに限り、最高裁判所に特に抗告をすることができる。ただし、その裁判が地方裁判所の裁判であるとした場合に抗告をすることができるものであるときに限る。
2 前項の高等裁判所は、同項の裁判について、最高裁判所の判例(これがない場合にあっては、大審院又は上告裁判所若しくは抗告裁判所である高等裁判所の判例)と相反する判断がある場合その他の法令の解釈に関する重要な事項を含むと認められる場合には、申立てにより、決定で、抗告を許可しなければならない。
3 前項の申立てにおいては、前条第1項に規定する事由を理由とすることはできない。
4 第2項の規定による許可があった場合には、第1項の抗告があったものとみなす。
5 最高裁判所は、裁判に影響を及ぼすことが明らかな法令の違反があるときは、原裁判を破棄することができる。
6 第313条、第315条及び前条第2項の規定は第2項の申立てについて、第318条第3項の規定は第2項の規定による許可をする場合について、同条第4項後段及び前条第3項の規定は第2項の規定による許可があった場合について準用する。


○「許可抗告」は、高裁決定手続に対する最高裁への不服申立ての制度で、憲法違反を申立理由としている「特別抗告」とは、別系統のもので、最高裁による重要な法律問題についての判断の統一を図りつつ、「その高等裁判所が次項の規定により許可したときに限り」として、要件判断を高裁に委ね、最高裁の過度の負担とならないよう配慮がされたものです。

○実質要件は、
①最高裁判所の判例(これがない場合にあっては、大審院又は上告裁判所若しくは抗告裁判所である高等裁判所の判例)と相反する判断がある場合
②その他の法令の解釈に関する重要な事項を含むと認められる場合

としてほぼ上告受理要件と同じです。

○申立期間等は第337条6項の準用により特別抗告と同様で、「裁判の告知を受けた日から5日の不変期間」に限定され、「許可があった場合には、第1項の抗告があったものとみな」され、抗告理由書提出期間は、民事訴訟規則第210条で「抗告人が第205条(控訴又は上告の規定の準用)ただし書及び第208条(特別抗告)において準用する第189条(上告提起通知書の送達等)第1項の規定による抗告提起通知書の送達を受けた日から14日」です。

○高裁が「許可抗告」決定を出す割合ですが、以下の表を見つけました。平均4%程度のようです。
以上:1,436文字

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