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東北大学法学部小嶋和司教授講義ノート紹介9-昭和49年6月13日

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平成28年 8月11日:初稿
○「東北大学法学部小嶋和司教授講義ノート紹介8-昭和49年6月8日」の続きで昭和49年6月13日の講義ノートです。
平成28年8月8日の平成版玉音放送で、天皇には、「天皇として大切な、国民を思い、国民のために祈るという務め」があるばかりで、一般国民に認められる人権がないことを改めて認識させられました。
なお、以下の記述は昭和49年6月の私の手書きノートをそのまま事務員に入力して貰ったものでその記述は全く信頼性がありません。多々ある誤字・脱字等もそのままで、私自身の備忘録として残すものです。

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東北大学法学部 小嶋和司教授講義ノート
1974/6/13


第三 個人としての尊重、法の下の平等
(一)個人としての尊重 §13、§14
国民の権利というよりは、むしろ国又は公共団体が国民を扱うについての基本原則であると考えるべきものである。学者の中には平等権などと書いている人もあるが、平等の保障は特定の法律上の地位を裁判上実現できるという保障ではなくむしろnegativeな特定の取扱いをしてはないという保障である。従って、平等権という名称は不適当である。

・個人としての尊重
§13「個人として」国民としての尊重ということならことさら規定の必要はない。国民としての尊重とは国家構成員という地位に着目しての尊重であり、特に全体主義的な尊重となる可能性もある。このような「国民として尊重」でないことに意味がある。

全体主義とは個人主義と対立する概念
基本的価値が全体にあるものが全体主義
基本的価値が個人にあるものが個人主義
由来的価値は全体主義では個人にある。個人主義では全体にある。全体主義的尊重とは全体のために必要な範囲内でのみの尊重
個人としての尊重とは個人自体に尊重すべき価値があることの承認が前提
個人主義の価値観、世界観が前提となっている。

(二)法の下の平等-明治憲法にも規定ありー§19、「基礎知識」P62
§14Ⅰ「心情」思想上の主義、単なる意見ではない。もっと深いところに根拠がある。
論点①
(ⅰ)「法の下の平等」意味
a法適用平等説
独:平等の保障 All M sind gleich vor dew gesetz
         gleichheit
法の前に平等=方の平等な適用を受けるという意味→法の適用やその執行に関与する行政権、司法権の働きを拘束する(伝統的解釈)。佐々木博士もこの考えを採用。

b「法平等説」米国憲法 equal protection of law
 単に法が平等に適用されるというだけでなく法の内容も又平等であることが要求されると解釈。法を制定する立法権の働きをも拘束。
 判例ははやく法の内容が平等であるかどうかの審査を行う。→bの立場に立つことを示す。

最判25.1.24三小
事案:刑法57条.最判の刑は法の下の平等に反すると主張。
 法の内容が平等であるべきということを前提としての違憲主張。
判決:不平等説の立場は疑われずに結果としは合憲と判断。
 再犯とは、憲§14Ⅰの5つのモメントに基づく差別ではない。
 刑罰制度とはある行為について機械的に画一的な刑罰を科すというものではない。各犯罪の各犯人ごとに妥当な措置を講ずものである。累犯加重はこのような刑罰目的にそった規定であり違憲ではない。

論点ⅱ-前段と後段の関係
佐々木説 前段は法適用平等の保障、後段はさらに法の内容の平等の保障であるとする。
 前段と後段は関係はあるが別物を並べて記載したものである。
多数説ー後段は前段に対する説明的地位のものであるとする
 説明的地位…いかなる説明の仕方か。
(ア)後段は前段の具体的列記とする。前段=後段
(イ)後段は前段の例示的列記とする。前段>後段※
 ex.学歴的による差別ー(ア)では合憲、(イ)では違憲の可能性あり
 初期の判例は(ア)に立つ。最判25.1.24三小
 しかし、25.10.11大から一貫して(イ)の立場に立つ。
 尊属とは社会的身分ではないが違憲となりうる可能性があることを前提として事案を処理

39.5.27大
年令による差別が違憲になる可能性があることを前提とする。
公務員ー定年制はない(例外はある)
待命処分-公務員の身分は継続させるが、別段の命令があるまで働く必要なないとし、給料は7割支給する制度。
ある町でこの制度を採用←違憲論
判示:年令による差別も違憲になりうることを前提として、このような待命処分には合理性があり違憲ではないとする。

論点(ⅲ)平等保証の効果…法平等説で特に問題となる。
 (ア)取扱いの均一を要求するという考え方
 (イ)評価の均一を要求する

(ア)-平等なものは全て均一に取扱えてする。絶対平等説
 これでは国政は不可能になる。
 国政は種々存する国民にそれぞれ具体的妥当性のある措置をとらなければならぬものである。
独では取扱い均一を要求するか絶対的のものでなく、※合理的な根拠があるときは均一でなくてもよいとする。→相対的保障説

(イ)平等の保障とは現実に存する相違から本質的価値の相違を読み取り、その価値観を根拠にして取扱いを決することを禁止する。従って価値観に基づかない差別は許される。
(ア)(イ)の相違
(ア)では平等の保障を結局、合理性の要求にしている。
 立法の不備ある場合、そこには合理性がないので(ア)では平等違反の可能性があり、(イ)では平等違反にはならない。

(イ)が妥当、小島
判例ー当初は(イ)、ある時期から(ア)に変更、昭25.10.11大、
事案 刑法205条2項 尊属の場合に重罰を科すのは違憲
(福岡地裁飯塚支部-尊属殺重罪は封建的価値観に基づく差別であり違憲と判示)
判示:他人以上に父母を敬愛するのは人倫自然の道である。人倫自然の道に反したものを重罰にするのは当然のことであり違憲ではない。
AorBorC、Aor(BorC)、25.10.25大 刑法200条
 又ハ    又ハ 若しくハ

28.6.24大
(事案)刑法177条は男女平等に反して違憲であると主張
<判旨>国民の各人には事実的差異が現存するのであるから一般的法律の制定又はその適用において、その事実的差異から生ずる不均等があることは免れない。その不均等が一般社会観念上合理的根拠のある場合は平等の原則に反しない。
 一応は(イ)にたつが(ア)的な立場

39.5.27大
(事案)待命処分
<判旨>14条1項は絶対的な平等を保障したものでなく差別すべき合理的な理由なくして差別することを禁止したものである。
 明示的に(ア)に立つ。以後の判例は全て(ア)の立場に立つ。

48.4.4大
(事案)刑法200条の合憲性が争われる。(平等の解釈について相対的保障説が確立した段階)
   目的  手段
8人 合憲  違憲 -手段違憲説
6人 違憲     -目的違憲説
1人 合憲  合憲 -手段・立法政策問題
 被害者が尊属であることを犯情の一つとして量刑上重視すること及びこれら類型として構成することは合理的根拠がある。
(25.10.11の判決の少数意見…200条を違憲としても199条の適用において、被害者が誰であるかを量刑の資料にすれば足りる。

 [多数意見]尊属殺重罪が違憲とするならば尊属殺であることを量刑の資料にすることも違憲になる。違憲論の首尾一貫性を欠くと反論。)
 但し、刑法200条は厳刑であり減軽しても3年6ヶ月となり執行猶予の可能性がない。かくの如きは立法目的の達成のため甚だしく均衡を欠く。従って違憲である。
 本来合憲性の審査は立法が賢明であるかどうかの審査ではない。これは立法政策の問題である。手段違憲説は目的実現としての手段して不適当といっているのではない。「甚だしく」(重要)均衡を欠くので違憲であるとする。
 執行猶予にできる程度の刑罰であれば「甚だしく」不均衡とは考えているもようである。

法の平等についての重要点
・平等とは当然何らかの共通点が全て画一の扱いをせよという訳ではない。他に考慮すべき点があってこれに基づく差異を考慮に入れることは許される。
23.10.6大
・犯情の類似した被告人の科刑に差異があっても違憲ではない。
科刑とは犯情だけに着目して行うものではなく、特別予防、一般予防の要請に基づき各犯罪、各犯人ごとに妥当な決定をするもの。ex.改後の情の有無
・本来立法政策に属する事項について類似の法律関係でも規定の内容の差異はありうる。

地方公務員の争議行為に対して罰則があるがある時期、地公団体制のバス自動車、特別バスの従業員には刑罰がない-これらは立法政策に属する領域の問題であるから取扱いが違っても平等違反ではない(最判昭33.7.6大) 選P30


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