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訴えの提起を違法とする判断基準を示した最高裁判決全文紹介1

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平成26年 3月 6日:初稿
○ある事件で、不当な訴えなので濫訴を理由に慰謝料等の損害賠償請求の反訴を提起して欲しいと強く要請されています。そこで訴え提起が違法となる場合を判断した判例を調査中です。このスタンダード判例として昭和63年1月26日最高裁判決(判タ671号119頁、判時1281号91頁)が見つかりましたので、先ず全文を2回に分けて紹介します。私なりの解説は別コンテンツで行います。

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主 文
原判決中上告人敗訴の部分を破棄する。
右部分につき、被上告人の本件控訴を棄却する。
控訴費用及び上告費用は被上告人の負担とする。 

理 由
 上告代理人○○○○の上告理由第三点について
一 原審の確定した事実関係の概要は、次のとおりである。
1 本件土地は、もとA工業株式会社の所有であつたが、同社が破産したため破産管財人の管理に属していたところ、上告人は、昭和48年8月ころ破産管財人から右土地の処分を委ねられていたBを通じてこれを1億0500万円で買い受けた。

2 Bは、上告人の承諾のもとに、同年9月29日C建設工業株式会社(以下「訴外会社」という。)との間で、代金を1億0500万円とするが、坪当りの価格を5713円とし、後日実測のうえ精算するとの約定で本件土地につき売買契約を締結し、訴外会社は同日手付金として金額9000万円の小切手をBに交付し、Bはこれを上告人に交付した。

3 Bが自己の名で右売買契約をしたのは、本件土地にBを権利者とする所有権移転仮登記がされており、Bにおいて破産管財人との関係を慮つて、そのようにすることを主張したためである。

4 上告人は、翌30日Bが訴外会社に働きかけて本件土地の実測面積を実際よりも少なくし、その分の代金相当額を両者で折半しようとしているとの情報を得たので、Bとの間で本件土地の所有者が上告人である旨の覚書を取り交わすとともに、Bをして訴外会社からの残代金受領のための委任状を差し入れさせたうえ、同年10月26日訴外会社に対し、本件土地の所有者は上告人であるから残代金を上告人に支払つて欲しい旨並びに所有者が上告人であることの証拠として右の覚書及び委任状の写を別便で送る旨を通知した。

5 訴外会社は、売買の際Bから、測量士を知らないので訴外会社が知つていれば頼んで欲しい旨の申出を受け、Bの承諾のもとに、自らの名義で土地家屋調査士である被上告人に対して本件土地の測量を依頼した。

6 現地での測量は同年10月中旬に行われたが、現地に行つたのはB及び訴外会社の代表者であるDだけであつたので、被上告人は、隣接地所有者の立会を求めて境界を確認してからでなければ測量できないと言つて断つたが、Bから「測量図は取引の資料にするにすぎないので、取りあえず指示する測点に従つて測量し、その中に食い込む形になるE所有の土地についてはその公簿面積を差し引くという方法で本件土地の面積を算出して欲しい。隣接地との境界は後日確定する。」といわれたので、Bの指示どおりに測量して、本件土地の面積を1万5191坪と算出し、同月25日ころ訴外会社に測量図及び面積計算書を交付した。

7 上告人は、訴外会社を通じて右測量図を入手したが、いくつかの疑問点があり、改めて独自に専門業者に依頼して測量してもらつたところ、被上告人の測量結果よりも約720坪多かつたため、昭和49年3、4月ころ訴外会社の事務所に上告人、被上告人、Dら関係者が参集した席上、右測量を担当した業者をして被上告人の採つた測量方法が当を得ていないことを説明させ、被上告人もその測量が前記の方法によつたものであることを認めたので、訴外会社に対し上告人の依頼した専門業者の測量結果に基づいて残代金の精算をするよう要求したが、訴外会社は被上告人の測量結果を盾にとつてこれに応じようとしなかつた。

8 そこで、上告人は、昭和50年4月21日付内容証明郵便で、被上告人に測量を依頼したのは上告人であることを前提として、その測量結果に誤りがあつたため損害を被つたことを理由に500万円の支払を請求したが、被上告人は、測量は訴外会社の依頼に基づきBの指示に従つて実施したもので、上告人との間には直接のかかわりがないことを理由に右請求を拒絶した。

9 なお、Bと訴外会社との間では、同年6月10日ころ両者が改めて依頼した別の業者による測量結果に基づき、上告人には内密にして残代金を精算した。

10 上告人は、被上告人が上告人の依頼に基づき本件土地の測量図を作成した際過小に測量したため、実際の面積より不足する分の土地代金544万5000円をもらえず同額の損害を被つたとして、被上告人に対して損害賠償を求める前訴を提起したが、被上告人に測量を依頼したのは訴外会社であつて上告人ではないことを理由として、昭和55年7月18日上告人敗訴の第一審判決が言い渡され、右判決は昭和57年9月14日上告人の控訴取下により確定した。

11 上告人は、前訴の提起当時、訴外会社に対する本件土地の売主はBではなく上告人であり、被上告人に対する測量の依頼も訴外会社を通じて上告人がしたものであると思つていたが、これは上告人が本件土地の実質上の所有者であつたためである。

12 被上告人は、前訴の追行を弁護士に委任し、その報酬等として80万円を支払つた。


以上:2,216文字

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