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出会い系サイト運営会社のサイト利用代金名下詐欺が認められた判例紹介

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平成26年 2月26日:初稿
○平成25年5月9日更新「凄まじいスパムメール攻勢忍耐も限界に達しフィルタ初利用」で、「ところがここ数ヶ月のスパムメール攻勢は凄まじく朝起きてリモートメールボックスを開くと200通以上のスパムメールが溜まっていることもあります。」と記載し、ようやく「メールサーバーをレンタルしているさくらインターネットコントロールパネルに迷惑メールフィルタ機能」を利用し始めたことを告白しました(^^;)。

○その後も一日100通を超えるスパムメールが来ていますが、「迷惑メールフィルタ機能」で小気味よく駆除して1週間に一度位の割合でまとめて削除しています。このスパムメールの大半が、出会い系サイトの勧誘であり、サクラを使って巧みに取り込んで、そのサイトに有償登録させて、メールの遣り取り毎に利用料名下に代金を騙し取るものです。

以下、私のメールアドレスに届いてスパムメールとして駆除されたメールを利用して、その手口を探ってみます。

「件名: 【LINE掲示板】から新着のお知らせです。」とのスパムメールの中身は、以下の通りです。


メールの「 ▼こちらからご確認下さい▼ 」の下のURLをクリックすると、以下の、サイトに繋がります。
ID掲示板が出てきて、「既婚でも気にしない方/女性/40代 ID:○○** Mail:○○*
           ○○○が欲しくて溜まりません」
なんて投稿がありますが、これがサクラです。
このメールに投稿しようとクリックすると、「LINEIDの取得には無料プロフィール登録が必要です」との案内が出て、「OK」をクリックすると登録画面が出てきます。


○このスパムメールでの勧誘に乗って、出会い系サイトに登録し、その利用代金名下になんと2031万3000円も支払った方が出会い系サイト運営会社に対して、同額の損害賠償請求訴訟を提起しました。一審判決は、不法行為の内容特定が不十分として請求棄却でしたが、平成25年6月29日東京高裁判決(判時2206号83頁)は、出会い系サイトのサクラによる詐欺を認めて、この請求を全て認めました。

○以下、裁判所の認定の結論部分を全文紹介します。この結論に至る前に、サクラによる詐欺の実態を詳細に認定していますが、この結論部分だけで、そのポイントが判ります。

*********************************

2 不法行為の成否
(一) 上記1の事実に基づき判断すると,まず,本件各相手方等からの申し出は,見も知らない控訴人に対し,指示に従えば数百万円ないし数千方円という多額の金員を供与する,面談や実験対象となってくれれば相当の対価を支払う等,あり得ない不自然な話で,そのいずれについても全く実現していないのであり,本件各相手方等がこれを実現する意思,能力を有していないことは明らかである。

(二) 次に,本件各相手方は,控訴人に対し,
① メールの送受信に,専用回線を用いさせたり,メールアドレス,電話番号,個人の氏名を添付する必要があるなどとして,通常の送受信以外に,高額なポイントを消費させていること(A,B,SE▽□,銀行員G),

② 暗号入力操作,口座番号の入力操作等を命じ,さらに,その送受信に多大なポイントが消費されるよう際限なくその手続の繰返しを要求していること(固定資産管財人○○,SE▽□,振込依頼人○○),

③ 面会や金員の手渡しを約束してはキャンセルすることを繰り返し,極めて多数の送受信を余儀なくさせていること(C,D,E,頭取婦人,IT企業取締役○○,外科医○○)などを行わせているが,これらの指示に合理性は見いだしがたく,その目的は,いずれも控訴人にできるだけ多くのポイントを消費させ,被控訴人に対し,利用料金名下に高額の金員を支払わせることにあることは明らかである。

 そして,高額な利用料金を支払わせることによって利せられるのは被控訴人をおいてほかにない(本件各相手方が,控訴人と同様のサイトの一般の会員であるとすれば,頻回のメールの送受信には当事者双方にとって高額の利用料金の負担義務が生じるから,当事者にとって利益はない。)。それにもかかわらず,本件各相手方が控訴人に利用料金を支払わせようとしている事実は,本件各相手方には利用料金の負担義務が課せられていない事実及び本件各相手方が被控訴人の利益を意図して行動している事実を推認させる。また,このことは,前記1(二)の本件各サイトにおける本件各相手方以外のメール相手についても同様である。

 したがって,控訴人が本件各サイトにおいてメール交換した本件各相手方等は,一般の会員ではなく,被控訴人が組織的に使用している者(サクラ)であるとみるほかはない。
 前記1(四)の事実もこれを裏付けているというべきである。


「※注前記1(四)の事実は以下の通りです。
(四) 控訴人代理人らによる利用体験
控訴人代理人らは,本件訴訟係属中に「△△」に,地域及びハンドルネーム等を変えて女性名で3件の登録をしたところ,その3件のアドレス宛に数分後から大量のメールが届いた。そのメールは,3件とも「愛を知らない男(代表取締役)」など同一名の相手方からのものであり,その内容も財産の譲渡を示唆する全く同一の文言であった。控訴人代理人がそれらに返信をすると,次々とサイト運営会社への入金を促す個別のメールが繰り返された。これらのメールは,3件とも同一名で,同一時刻に送られることが多く,その内容も同一文であるが,登録地域に応じて待ち合わせ場所や送信者のプロフィール(出身地)などは変えられていた(甲53,87)。」※


(三) 以上によれば,被控訴人は,本件各サイトにおいて,サクラを使用して,かつサクラであることを秘して,資金援助や連絡先交換又は待合せ等,役務ないし利益の提供をする意思もないのに,それがあるように虚偽のメールを送信させて,それらが一定程度実現する可能性があると控訴人を誤信させ,控訴人に役務ないし利益の取得のため,送受信等を多数回繰り返させたり,上記資金援助等の目的達成のためには虚偽の暗号送信等の手続が必要であるとの虚偽の事実を申し向けてその旨控訴人を誤信させ,利用料金名下に多額の金員を支払わせた詐欺に該当するものというべきである。被控訴人は,控訴人に対する不法行為責任を免れることはできない。

3 控訴人の損害
 控訴人が本件各サイトにおいてメール交換をした相手(本件各相手方等)は,前記のとおりすべてサクラであるから,控訴人の損害は,本件各サイトの利用料金として支払った金員の全額である合計2031万3000円である。
 また,弁論の全趣旨によれば,控訴人は,本訴の提起,遂行に訴訟代理人らを委任して訴訟行為に当たらせたことが認められるところ,本件事件の難易,訴訟代理人らの訴訟行為,上記損害認容額その他一切の事情を考慮すれば,上記損害の1割に相当する弁護士費用203万1300円も本件不法行為と相当因果関係を有する損害であると認められる。
 被控訴人は,当審にいたって弁護士費用の請求拡張をすることが許されない旨主張するが,採用できない。

第4 結語
 よって,これと異なる原判決を取り消した上,控訴人の請求(当審で拡張された分を含む。)を全部認容することとし,訴訟費用の負担につき民訴法67条2項,61条を,仮執行宣言につき同法310条を適用して,主文のとおり判決する。
    東京高等裁判所第11民事部
        裁判長裁判官  瀧澤 泉
           裁判官  三代川俊一郎
           裁判官  梶 智紀

以上:3,105文字

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