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これは使えない判例紹介-支店不明な銀行預金差押方法4

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平成25年 5月14日:初稿
○「これは使える判例紹介-支店不明な銀行預金差押方法2」で、、「預金額最大店舗指定方式」で債権差押を認めた平成23年10月26日東京高裁決定(判時2130号4頁)を紹介していました。しかし、「預金額最大店舗指定方式」での債権差押を認めない平成24年10月10日東京高裁決定(判タ1383号374頁)も出て、高裁判例が分かれていました。

○この「預金額最大店舗指定方式」とは、「複数の店舗に預金債権があるときは、預金債権額合計の最も大きな店舗の預金債権を対象とする。なお、預金債権額合計の最も大きな店舗が複数あるときは、その支店番号の最も若い店舗の預金債権を対象とする。」として第三債務者たる銀行支店を特定するものです。銀行預金を差押えするときは、支店名まで特定しなければならないとされていたものが、この方法で差押が出来るとなれば大変有り難い判例でした。

○しかし、この方法について上記の通り、同じ東京高裁でもその適否の判断が分かれていたところ、平成25年1月17日最高裁決定(判タ1386号182頁、判時2176号29頁)は、「大規模な金融機関の具体的な店舗を特定することなく,『複数の店舗に預金債権があるときは,預金債権額合計の最も大きな店舗の預金債権を対象とする。なお,預金債権額合計の最も大きな店舗が複数あるときは,そのうち支店番号の最も若い店舗の預金債権を対象とする。』としてされた預金債権の差押命令の申立ては,差押債権の特定を欠き不適法である。」との結論を出して、この問題に、駄目押しで決着をつけました。

その判決全文は以下の通り大変短いものです。

主文
 本件抗告を棄却する。
 抗告費用は抗告人の負担とする。 
 

理由
1 平成24年(ク)第1341号事件について
 抗告代理人A,同Bの抗告理由について
 民事事件について特別抗告をすることが許されるのは,民訴法336条1項所定の場合に限られるところ,本件抗告理由は,違憲をいうが,その実質は原決定の単なる法令違反を主張するものであって,同項に規定する事由に該当しない。
2 平成24年(許)第46号事件について
 抗告代理人A,同Bの抗告理由について
 所論の点に関する原審の判断は,正当として是認することができる。論旨は採用することができない。
 よって,裁判官全員一致の意見で,主文のとおり決定する。
 (裁判長裁判官 櫻井龍子 裁判官 金築誠志 裁判官 横田尤孝 裁判官 白木勇 裁判官 山浦善樹)
 

○平成24年10月10日東京高裁決定(判タ1383号374頁)の要旨は、「大規模金融機関である第三債務者に対する相手方の預金債権につき、取扱店舗を特定することなく、いわゆる『預金額最大店舗指定方式』により差押債権を表示して、債権差押命令及び転付命令を申立について、本件申立による差押えを認めた場合、大規模金融機関である第三債務者は、全店舗の中から預金額最大店舗を抽出する作業が必要となるが、その際、第三債務者で、全店舗の全預金口座につき、まず該当顧客の有無を検索した上、該当顧客を有する店舗における差押命令送達時点での口座ごとの預金残高及びその合計額等を調査して、当該店舗が最大店舗に該当するかを判定する作業が完了しない限り、差押えの効力が生ずる預金債権の範囲が判明しないことになるから、本件方式による本件差押債権の表示は、差押債権が特定されておらず不適法である」としたものですが、前記最高裁はこれを指示しました。
 残念ながら、銀行預金の差押は支店まで特定しないと出来ないことになりました。
以上:1,465文字

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