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民事調停で呼出状が来た場合の出頭義務-不出頭正当理由

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平成24年 3月22日:初稿
○「民事調停で呼出状が来た場合の出頭義務如何」を続けます。
民事調停法第34条に「裁判所又は調停委員会の呼出しを受けた事件の関係人が正当な事由がなく出頭しないときは、裁判所は、5万円以下の過料に処する。」との規定によって罰則付きの出頭義務が課されており、形式上は、原則として出頭義務がありますが、今回は、この「正当理由」について検討します。

○おそらく公刊されている唯一のコンメンタールと思われる注解民事調停法(石川明 梶村太市【編】青林書院1986/10/06 出版)によると「最近の実務においては、本条の過料の制裁がなされることはごくわずかであるにすぎず、この制度の現実的な機能や実効性について疑問がないわけではない。」としながら、「制度として申立人に開かれた途が不誠実な相手方によって閉ざされてしまうことのないようにすることが必要である。」とも解説しています。

○仙台弁護士会ADRでは、確か、相手方に出頭義務はなく、相手方にも手数料を出して貰う関係もあり、ADRからの手数料を負担してADRでの話し合いによって解決する意思があるかどうかを確認し、相手方が手数料を負担して、出頭して話し合いに応じる用意があると回答した場合にのみADRが開始するとの制度です。

○簡易裁判所での民事調停も法第1条に規定されている通り「民事に関する紛争につき、当事者の互譲により、条理にかない実情に即した解決を図ることを目的とする。」制度であり、「当事者の互譲」がない限り成立しません。従って、その調停での請求を少しでも検討の余地があり、調停を成立させたいとの意思がない限り、調停を開催しても無駄になります。従って調停においても、相手方にそのような「互譲」の意思があるかどうかを確認して開催する方が合理的と思われます。

○そこで民事調停においても、相手方にされた方には期日呼出状と同時に、その事件についての相手方の考えについてアンケートをとっています。ただ期日呼出状には正当な理由がなく出頭しない場合は、過料の制裁があることも記述されて出頭義務があることも記載しています。そこで全く不本意な調停申立をされて呼出状が送付され驚いて弁護士に相談に来る場合があり、こんな不当な調停請求には到底応じる意思はないが、どうしても出頭しなければならないのですかと質問されることがあります。

○そこで過料に処せられることのない「正当な理由」とは何かが問題になりますが、前記注解民事調停法には、「出頭しないことが一般的客観的に見て真にやむを得ないと認められる相当な理由」と抽象論を述べ、具体例としては、①調停の目的である法律関係の当事者でない者による申立、②調停事件の関係人が頭部裂傷等によって安静を要する症状にある場合、③取引の都合上、予め調停委員の了解を得て出頭しなかった場合等は正当理由ありとし、①たんに多忙のため出頭しがたい旨の単純な届出をしただけの場合、やむを得ない事由に基づくものであることを明らかにする何らの届出もしないで出頭しなかった場合は正当理由無しとしています。

○最も肝腎の「互譲」の気持が全くない,即ち、調停での請求には応じる余地は全くない場合についての解説はありませんが、注解民事調停法全体の論調では、これだけでは「正当理由」には該当しないとの立場にも感じられます。私自身は、互譲の気持が全くなく、調停成立可能性は全くないことをある程度具体的に説明してアンケートに回答すれば足りると解釈すべきと思っております。調停成立可能性は全くないことが明らかなのに期日を開催するのはお互いに無駄だからです。
以上:1,480文字

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