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ある交通事故事件の顛末-裁判官からの暗示に反応

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平成22年10月10日:初稿
○自賠責は、Aさんの後遺障害について右肩神経症状継続だけについて後遺障害第14級を認め、右眼の0.05までの視力低下については交通事故との因果関係がないとして後遺障害を認めていませんでした。そこでAさんは、この右眼視力低下について少なくとも後遺障害第9級に該当するとして、労働能力喪失率を35%として、約4400万円と事故日からの損害金を請求していました。

○裁判所による鑑定で「視力低下・視野狭窄が存在するが、その原因は心因性」鑑定結果も出て、この評価についての双方の主張も出そろい、そろそろ弁論終結という時点で、当時の担当裁判官から、交通費等の主張について少々不明部分があるので、原告側においてもう一度請求金額等について良く吟味して整理し、その請求をまとめて主張する準備書面を提出されたいとの指示が出されました。

○私は、「心因性」との鑑定結果に、これは裁判官としては最小でも2割程度は素因減額をせざるを得ないと考えているのではと危惧しておりました。そこで請求金額の整理をされたいとの裁判官の指示について、これまでの裁判官の原告側に対する同情的姿勢を振り返ると、請求金額増額を検討せよとの暗示ではないかと判断しました。なぜならば、請求額を増額すれば、その増額分を素因減額の対象として、従前の請求額がそのまま認められるからです。またその指示をされた裁判官は,その後、転勤となり、担当裁判官が交替となりましたが、交替後の裁判官もおそらく細かい引き継ぎを受けた思われ、その訴訟指揮ぶりから原告側に良い心証を持っていると確信しました。

○そこで私は、右眼視力障害ばかりに気を取られて、あまり注意してこなかった右肩神経症状についてもう一度Aさんから症状を確認すると平成16年10月の事故時から4年半経過した平成21年4月時点で、なお、痛みが継続し,且つ、右肩関節可動域が制限されたままとのことでした。そこでAさんに対して、平成17年4月まで通院していた整形外科で再度診察を受け、右肩関節可動域測定をし、その結果を記載した診断書を貰うよう指示しました。すると案の定、平成17年4月に測定した結果と変わらず相当の可動域制限が残っているとの診断書を届けてきました。

○その結果、私はAさんの後遺障害について、右肩疼痛継続・右肩関節可動域制限継続について、「1上肢の3大関節中の1関節の機能に著しい障害を残すもの」として後遺障害第10級第10号に該当するとし、右目視力障害の後遺障害第9級との併合で第8級相当後遺障害と再構成しました。その上、更に、労働能力喪失率については、第8級は自賠責保険基準上形式的には45%とされているところ、右肩・右目の障害により大工の仕事を継続できなくなったことから最低でも50%は喪失した主張し、逸失利益を増額し、約4400万円の請求を約6500万円に増額する請求拡張の訴え変更手続をしました。

○勿論、保険会社側はあくまでAさんの後遺障害は第14級に過ぎず労働能力喪失率も5%程度で喪失期間も5年程度に制限すべきとして譲りませんが、最終的には後遺障害としては8級相当、労働能力喪失は50%で喪失期間も残稼働期間全てとして計算した約6500万円の請求で、平成17年12月の訴え提起から3年9ヶ月を経過した平成21年8月26日、ようやく弁論終結となり、判決日は、平成21年9月11日午後1時10分と指定されました。
以上:1,403文字

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