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ある交通事故事件の顛末-事故の具体的状況と治療経過

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平成22年 7月17日(土):初稿
○Aさんの交通事故訴状請求の原因での事故態様は、「原告が、被害車両を運転して上記T字路交差点を前方信号の青に従って右折するために交差点内に進入したところ、進路右側から被告運転加害車両が、赤信号を無視して交差点に進入し、被害車両右前部側面に被告運転加害車両前部を衝突させたもの(甲2,3)」と記載されております。侵入した交差点内でいきなり右側運転席付近に側面衝突されたものです。

○Aさんは三菱製ジープを運転していましたが、このジープには、運転席右側に直径2㎝程のスチール製握りバーがついていました。この加害車両右前部角がAさん運転ジープの右サイドに激突した瞬間、Aさんの身体はその衝撃で、大きく左側に振られ、その反動で更に右側に身体が振られて、運転席右側の握りバーに右眼が激突しました。握りバーに激突した右眼は眼窩付近で、いわば右眼にピンポイント直撃を受けたような状況でした。

○更にその後、Aさんの身体は、車外に2m程放り出され、道路に叩き付けられました。道路に叩き付けられた状況は、最初に顔面の右眼付近を道路に強打して、次に右半身が道路に叩き付けられたものでした。いわば顔面から道路に飛び込んだようなものでした。道路に顔面部が衝突したときは、原告の右眼付近の頬骨と前頭骨下部と眼窩との境目の出っ張った部分の骨の部分で、要するに凹んだ眼窩の周りの出っ張った骨部分全体が面として直撃されたのです。

○Aさんの医療記録から、Aさんの顔は、眉毛上方にも裂傷があり、右眉毛を中心とした面が地面に衝突したことが明らかでした。眉毛の直ぐ下の部分と右眼直ぐ下の部分が裂傷となり、脂肪が露出する状況となっていました。そのためその裂傷部分から、多量の出血があり、救急車で運ばれた病院からはナート(縫合)が必要と指示され、また右肩等右半身の打撲状況も酷かったため、入院治療を勧められました。

○ところが、Aさんは、人並み外れて我慢強い方で、入院を拒否して、通院治療を選びました。当時、Aさんは、大工さんとして小さな建築会社を経営して忙しく動き回っていたため入院して仕事を休んだのでは取引先に迷惑をかけることになるからでした。そのため、Aさんは入院を拒否して、翌平成17年4月までの6ヶ月間に整形外科に約130日、眼科に12日間通院治療を続けました。

○事故で2回に渡って強打したAさんの右眼は大きく腫れ上がり、いわば四谷怪談の小岩さんのような顔になって10日間も眼が開けられない状態が続きました。10日程経過して、眼を開けられるようになるとぼやけてしか見えなくなっていました。しかしようやく開いた右眼はその時点でまだ真っ赤に充血していたためAさんは、その充血が引けば見えるようになるのではと簡単に考えていました。

○ところが充血が引いても、なお、Aさんの右眼は,ぼやけてよく見えない状態が続き、Aさんは、事故から25日経過した26日にある総合病院の眼科を受診しました。色々な検査を受け、右眼の視力は0.05しかなく、視野も著しく減少いことが判明し、視力低下・視野狭窄と診断されました。その後、平成17年4月まで6ヶ月間に12日通院して、各種目薬を投与され、服用しましたが、視力低下・視野狭窄は全く回復せず、6ヶ月後に外傷性視神経症との診断で症状固定とされ、回復可能性はないと宣言されました。

○事故から6ヶ月を経過した平成17年4月時点では、右眼は0.05で回復可能性がないと宣言され、また、右肩も強い痛みが残っており、整形外科主治医からは、まだ症状固定時期ではないので治療を継続するようと指示されました。しかし、保険会社が事故以来半年経過したとの理由のみで、治療停止を強く要請して来たためAさんは、やむなく症状固定診断書を作成して貰い、当職事務所に相談にきました。
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