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マンション管理費回収方法整理-競売の訴え1

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平成21年 7月11日(土):初稿
「マンション管理費回収方法整理-先取特権・承継者責任」で、マンション管理費の消滅時効は平成16年4月23日最高裁判例で5年と確定されたので、「5年近く管理費滞納がある場合は、いずれ競売になるのを待ちましょうなんて悠長なことは言ってられず、即訴え提起を勧めます。」と記載します。

○そこで訴え提起して仮に4年分の未納マンション管理費と損害金で合計金400万円支払えとの判決を取ることの意義は,先ず第一に消滅時効の中断です。民法第174条の2(判決で確定した権利の消滅時効)の規定により「確定判決によって確定した権利については、10年より短い時効期間の定めがあるものであっても、その時効期間は、10年」となります。

○次にこの金400万円支払えとの判決により、債務者財産に給料差押等の強制執行が出来ます。しかし、その債務者所有のマンション区画が時価1500万円程度のところに2000万円以上の住宅ローン債権が付いていた場合、このマンション区画に判決に基づく競売申立をしても無剰余を理由に取消になり、競売続行できなくなります。民事執行法の以下の条文です。
第63条(剰余を生ずる見込みのない場合等の措置)
 執行裁判所は、次の各号のいずれかに該当すると認めるときは、その旨を差押債権者(最初の強制競売の開始決定に係る差押債権者をいう。ただし、第47条第6項の規定により手続を続行する旨の裁判があつたときは、その裁判を受けた差押債権者をいう。以下この条において同じ。)に通知しなければならない。
1.差押債権者の債権に優先する債権(以下この条において「優先債権」という。)がない場合において、不動産の買受可能価額が執行費用のうち共益費用であるもの(以下「手続費用」という。)の見込額を超えないとき。
2.優先債権がある場合において、不動産の買受可能価額が手続費用及び優先債権の見込額の合計額に満たないとき。《全改》平16法1522 差押債権者が、前項の規定による通知を受けた日から1週間以内に、優先債権がない場合にあつては手続費用の見込額を超える額、優先債権がある場合にあつては手続費用及び優先債権の見込額の合計額以上の額(以下この項において「申出額」という。)を定めて、次の各号に掲げる区分に応じ、それぞれ当該各号に定める申出及び保証の提供をしないときは、執行裁判所は、差押債権者の申立てに係る強制競売の手続を取り消さなければならない。


○では、折角、未納管理費合計金400万円支払えとの判決を取っても、そのマンション区画に競売の申立が出来ないとなれば、管理組合としては、住宅ローン債権者が競売の申立をするのを待つしか無いのでしょうか。そうだとするとその債務者が勤務先もなく、他に財産が何もない場合、管理組合は多額の未納管理費を回収する手段がないことになります。

○未納管理費が一定額以上になった区分所有者について、掲示板で公表する、水道供給を停止する等の措置が考えられますが、このような不利益措置をしたからと言って、財産が全く無い人の財産が回復することは通常あり得ず、結局、何とかそのマンション区画を第三者に売却して、その第三者から支払って貰う方法しか、未納管理費を回収する手段がありません。
以上:1,332文字

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