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ある遺言無効確認事件の顛末-筆跡鑑定あれこれ3

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平成21年 4月11日:初稿
「ある遺言無効確認事件の顛末-筆跡鑑定あれこれ2」を続けます。
愛用のデータベースソフト桐を利用して、「筆跡は同じ」とのA・D鑑定、「筆跡は異なる」とのB・C鑑定の各鑑定内容を論点毎に整理して一覧図表化を試みましたが、そのため各鑑定書を熟読しなければなりません。鑑定書には鑑定の専門用語がちりばめられており、その用語理解が必要となり、吉田浩一著「ポイント解説筆跡・印章鑑定の実務」と、魚住和晃著「筆跡鑑定ハンドブック」を購入しました。実務的には後者の方がずっと役立ちました。

○各鑑定書分析作業の前に、この魚住和晃著「筆跡鑑定ハンドブック」を熟読して、分析のための予備知識を得ました。そして、特に検査すべき箇所として、起筆位置、送筆部、入筆部、収筆部、点画等があり、これらの箇所毎に遺言書の文字と、生前に祖父本人が書いたことに争いのない文字との比較を、各鑑定がどのようにしているかを一覧できるようにすると、各鑑定の特徴が判り易くなりました。

○そこでこれを批判すべきB・C鑑定結果について、これらの検査すべき箇所毎に、その結論について批判を加える一覧表を作り、その鑑定の不合理なことを浮き上がらせました。

以下のような一覧表です。


○これらの表を作るためには、鑑定書を熟読し、且つ、その説明文言をシッカリと理解するために、拡大されて掲載されている各比較対象の文字をジックリと観察しなければなりません。文字のどのような特徴をどのような表現で説明しているかを注意深く分析しなければならないからです。

魚住和晃著「筆跡鑑定ハンドブック」159頁に「筆順の相違と特徴は、筆跡鑑定の有力な証明材料に位置づけられている」と記載されていますが、鑑定対象文字の一つに「橋」がありました。この「橋」をじっくり観察している内に、第5画「ノ」の書き方が、正しい書き方向は右上から左下に向かうものであるところ、鑑定対象の「橋」の第5画「ノ」は、左下から右上に向かって書かれていることが判明しました。これは筆順の特徴ではありませんが、筆順同様に個性の表れるものです。遺言書に記載されている「橋」も生前祖父が書いたことに争いのない全ての「橋」も左下から右上に向かって書かれています。

○かように珍しい書き方向について、4鑑定いずれも全く触れていません。筆跡鑑定専門家4人いずれも気付いていない程の微少な特徴である書き方向についてまで、遺言書の偽造者が気付いて、その通常あり得ない書き方向で書くまで用意周到に準備できるはずがなく、この書き方向まで一致していると言うことは,正に遺言書は祖父が書いたことを如実に示していると強調して記載しました。4人の筆跡鑑定専門家すら気付かなかったことに気付いたときは小躍りして喜びました。
以上:1,135文字

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