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ある遺言無効確認事件の顛末-筆跡鑑定あれこれ1

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平成21年 4月 9日:初稿
「事務員の育て方-準備書面の作成が出来る例1」を続けます。「事務員の育て方」がテーマでしたが、事件内容紹介が必要で、大変印象に残った事件でもあり「思い出の事件」コーナーに記載します。
 ある遺言無効確認事件で、祖父の遺言書は偽造で無効であるとの訴えを受けた被告側を依頼を受け、残された僅かの祖父のノートや契約書の文字が、素人目にも一見して遺言書の文字と同一筆跡に見え、私が依頼したA鑑定士の簡易鑑定でも「筆跡は同じ」との鑑定を受け、楽勝と思っていたところ、原告側からB鑑定士の分厚い「筆跡は異なる」との鑑定書が提出され、裁判所鑑定で公平な立場のC鑑定士の鑑定結果を待っていました。

○私自身は、「筆跡は同じ」との結論が出ると確信して居たのですが、何と「筆跡は異なる」との鑑定書が出て仰天しました。まさかと思って内容を精査すると祖父の生前の筆跡には種々の文字がありますが、遺言書と似ていない文字を重点的に取り上げ、その似ていないことを強調して、「筆跡は異なる」との結論を導き出しており、到底、納得できる内容ではありませんでした。

○しかし当時は「高等裁判所の裁判実務では、多数の筆跡鑑定を経験する結果、筆跡鑑定の証拠力については、これをかなり割り引いて受け止められているといってよい実情で、遺言の効力について結論を出すに当たって、筆跡以外の事案の全体に関する実情を総合的に分析検討する必要性が高い」との東京高裁平成12年10月26日判決(判例タイムズ1094号242頁)を知らず、裁判所が選んだ公平なC鑑定人の鑑定結果で決まるだろうと悲観的になってしまいました。

○しかしお客様は、A鑑定、B鑑定、C鑑定を良く見比べたがどうしても、「筆跡が異なる」とのB・C鑑定には納得できないと強く訴えます。私自身も納得できず、A鑑定は簡易鑑定なので、別な筆跡鑑定士に依頼し、先ず資料を見て頂き、「筆跡は同じ」との結論を得られるのであれば、正式鑑定を依頼することになり、ネットで色々検索し、鑑定実績豊富と銘打ったD鑑定士に相談しました。

○私はお客様には、D鑑定士の暫定的事前鑑定でも「筆跡は異なる」との結論が出されたら万事休すですねとお伝えし、事前鑑定を受けたところ「筆跡は同じ」との結論が出て、驚喜しました。ところが、正式鑑定料金を聞いて、え~、そんなに高いのかと驚きましたが、お客様は背に腹はかえられないとのことで正式鑑定を依頼しました。

○するとD鑑定士から、裁判所C鑑定批判は要りませんかと尋ねられ、当然含まれているのかと思ったら別料金とのことです。これにも高額なのに驚きましたが、やはり背に腹はかえられずお客様は、弁護士の着手金の数倍に相当する大枚をはたいて依頼し、2ヶ月かかるというその鑑定書の完成を首を長くして待ちました。
以上:1,150文字

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