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不動産共有とその変更と管理の違いについて2

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平成20年 8月30日:初稿
○各持分3分の1でのA、B、C3名の共有土地(100坪、甲地)の賃貸についての話題を続けます。共有物の使用・収益に関しては、民法第251条で「変更」は全員一致、同第252条で「管理」は過半数と定められ、賃貸が「管理」に当たればCが反対してもA、Bの同意で可能ですが、「変更」に当たれば3名全員一致が必要でCが反対する限り、甲地の賃貸は出来ません。

○我妻民法講義323頁で最判昭和38.4.19民518頁を引用して不動産賃貸は管理に当たるとしており問題である如く解説されていますが、この判例は残念ながら私の利用する判例データベースでは見つかりません。

○その後共有不動産の賃貸に関する判例を探していましたが、この問題について明快に判断した裁判例が見つかりましたので紹介します。それは東京地裁平成14年11月25日判決です(判時1816号82頁)。事案概要は、賃貸ビルの4分の1の共有持分権を有するXが、同ビルの一部を店舗として使用するYに対し正当な権限無く占有しているとして不法行為に基づき約2500万円の賃料相当損害金の支払を求めたのに対し、Yは同ビルの4分の3の共有持分権を有するZとの間で有効な賃貸借契約が成立しており不法行為にはならないと争いました。

○同ビルに共有持分権4分の3を有するZが、4分の1の共有持分権を有するXの意向を無視してYへ賃貸したことが民法第251条「変更」か同第252条「管理」かが争われました。この判例は、共有物の賃貸については、「一般に、共有物について賃貸借契約を締結する行為は、それが民法602条の期間を超える場合には、共有者による当該目的物の使用、収益等を長期間にわたって制約することとなり、事実上共有物の処分に近い効果をもたらすから、これを有効に行うには共有者全員の合意が必要であると解されるのに対し、同条の期間を超えない場合には、処分の程度に至らず管理行為に該当するものとして、持分価格の過半数をもって決することができるというべきである。」としました。

○共有物の賃貸の「変更」と「管理」を区別する基準として民法第602条短期賃貸借の場合は「管理」、短期賃貸借を超える場合は「変更」としました。そしてビルの一部の賃貸は借地借家法が適用になり長期間存続する可能性が高いので「変更」に該当し、共有者全員の同意が必要としています。

○しかし「共有物の変更及び処分に共有者全員の同意が必要とされるのは、これらの行為が共有者の利害関係に与える影響の重大性にかんがみ、これを過半数の持分権者によって決しうるとするのが不相当であるからと解される。したがって、持分権の過半数によって決することが不相当とはいえない事情がある場合には、長期間の賃貸借契約の締結も管理行為にあたると解される。」として、本件ビルは元々賃貸用として建築されたので賃貸すること以外の使用方法は予定されていないので、本件賃貸借契約は本件ビル使用収益方法の範囲内にあり、XはZに対し持分権に基づき求償権を有しているので本件賃貸借契約を有効としてもXの利益に反するものではなく、このような場合は賃貸借は「管理」として有効であるとしました。

○結論として共有不動産の賃貸は、民法602条短期賃貸借の場合は「管理」、これを超える場合や借地借家法が適用になる場合は原則「変更」ですが多数決で決めることが不相当とは言えない特別事情があれば「管理」に該当するとのことであり、穏当な結論と思われます。
以上:1,428文字

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