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DNA鑑定を拒否したことで親子関係を否認された裁判例の報道紹介

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平成28年12月17日:初稿
○「DNA鑑定採用で父子関係を否定した平成10年5月14日福岡高裁判決紹介」で、「控訴人と被控訴人は、三つのDNA型システム(ACTBP2、D8S320、D14S118)において、共通の遺伝子を持っておらず、遺伝学的に父子関係が成立しない」との鑑定結果を採用して、親子関係は存在しないとの結論を採ったことを紹介しました。

○以下の産経新聞ニュースで、父親から嫡出否認の訴えを出された母親が裁判官から薦められたDNA鑑定を拒否したことを理由に親子関係の存在を否認したとの事例を見つけました。この判決書そのものを探しているのですが、日付も裁判所名も不明で、判決全文を見つけることはできません。従ってこの報道の真偽は確かめられませんが、参考に紹介します。

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「おれの子じゃない」「エッチはしていた」ドロドロ訴訟 父親は一体だれだ?
産経新聞 2016.11.29 12:00


ある日、自分の戸籍を見て驚愕した。知らない名前が自分の「長女」として記載されていたのだ。西日本在住の30代男性が、妻と別れたのは数カ月前。民法772条の嫡出推定により、離婚後に元妻が出産した女児が自らの子供とされていた。男性は「おれの子じゃない」と家裁に「嫡出否認」を申し立てた。長男の出産に立ち会ったときの“トラウマ”から、夫婦の性生活は絶えてなくなっていた、というのがその根拠だ。一方の元妻はある書面をたてに「エッチはしていた」と反論。「性生活の有無」が争点となる異例の展開となった。女児の父親は一体-。

小林亮輔さん=仮名=が10年連れ添った妻の晃子さん=同=と離婚したのは平成26年末のこと。翌年の3月に自分の戸籍全部事項証明書を取得した際、約2カ月前に生まれたという「長女」の存在を知った。晃子さんからは何の連絡も受けていなかった。
民法772条1項では「妻が婚姻中に懐胎した子は、夫の子と推定する」と規定。さらに同条2項は、離婚後300日以内に生まれた子供について「婚姻中に懐胎したものと推定する」としており、前夫の子という嫡出推定が働くことになる。このため、親子関係を法的に否定するには、嫡出否認の調停を家裁に申し立てる必要がある。

この嫡出否認は夫にしか認められていない。訴えを起こせるのは子供の出生を把握してから1年以内に限られ、それ以降に嫡出推定を覆すことはできない。
明治時代から続く古い規定だが、「男性中心の時代遅れの考えだ」と批判も強い。今年6月には、嫡出否認を夫にだけ認めるのは男女平等を定めた憲法に違反するとして、神戸市内の女性が国に損害賠償を求める訴訟を神戸地裁に起こしている。
嫡出否認の違憲性はさておき、亮輔さんはすぐさま家裁に調停を申し立てた。しかし元妻は亮輔さんの子だと譲らず、調停は不成立に終わった。

羊水浴び…立ち会いトラウマ
これを受け、亮輔さんは親子関係の争いを解決するための「人事訴訟」を家裁に起こした。訴訟で争点になったのは、亮輔さんと晃子さんとの間の性生活の有無だった。
亮輔さんは「セックスレスだった」と主張した。2人の間に生まれた長男の出産に立ち会ったのが原因だった。その日、亮輔さんは、分娩台に上がった晃子さんの正面に立たされた。そして長男が体内から出てくる瞬間を、目の当たりにした。母親の胎内から、光ある世界に産み落とされた新たな命は、一拍の間を置いて「おぎゃあ」と泣く。それはとても神聖で荘厳な瞬間なのだが、視覚的にショックを覚える男性も少なくない。

真正面に陣取った亮輔さんはそのとき、羊水を浴びるという経験もし、出産がトラウマになった。それ以来、晃子さんを性的欲求の対象として見ることができなくなった。亮輔さんは後に、晃子さんにあててこんな手紙をしたためてもいる。「立ち会い出産から、晃子ちゃんに対する感覚が、嫁から母親になってしまいました」 それからはベッドの真ん中に長男を挟み、川の字で眠る生活を送っていた。だから性生活はなかった。

晃子さんが長女を懐妊したとみられるのは26年の4月下旬。ちょうどそのころ、亮輔さんは県外に出かけていた。自宅にいた晃子さんと性交渉を持つのは物理的にも不可能だった。勤め先の同僚から「2人目はまだ?」と尋ねられることもあったが、その都度セックスレスだと伝えてきた。亮輔さんは審理中、晃子さんの不貞行為もほのめかし、長女との親子関係を否定した。
 
家計簿に「H」の証拠!?
一方の晃子さんは、性の営みはあったと訴えた。その証拠として提出したのが何と家計簿だった。
「◯月◯日 亮cとH」
「△月×日 亮cとH」
「●月×日 亮cとH」
家計簿にはそんな記載があった。亮輔さんの「亮」に、cは「ちゃん」を意味する記号。Hはエッチ、つまりセックスを指す。家計簿を見れば、長男出産後も定期的に性交渉があったことが分かるという説明だった。
晃子さんと亮輔さんの血液型はともにA型。長女の血液型はO型だったため、親子関係に矛盾はないとも反論した。

元妻はDNA鑑定拒否
昔と違って、今の時代にはDNA鑑定がある。わざわざ出産時のトラウマや家計簿を持ち出さずとも、長女がだれの子かは一発で分かるはずだ。
だが、晃子さんは鑑定を拒否した。以下は家裁の本人尋問でのやり取りだ。
裁判官「DNA鑑定に応じられないのは、なぜですか」
晃子さん「何回も申し上げましたが、人としてもっとも大事な情報を、こんな原告(亮輔さん)の一方的な思い込みで、さらすわけにはいきません」
裁判官「鑑定という方法できちんと答えようとは思いませんか」

晃子さん「思いません。協力する気はありません。原告が一方的に疑っているだけです。逆に親子ではないという客観的立証もないのに、なぜこちらがそこまでしないといけないのか、理解できません」
晃子さんは母子手帳についても紛失を理由に提出しなかった。長女の血液型について、ABO式とは別のRh式やMN式の検査も、晃子さんは拒んだ。
「長女の個人情報を必要以上に外部に出さないように配慮する責任がある私としては、到底容認できません」

決め手になったのは…
判決は今年9月。家裁は嫡出否認を認め、亮輔さんの子でないと結論づけた。理由を見ていこう。
まず、亮輔さんがトラウマと訴えた出産時のエピソードについては「性交渉を持てなくなったと推認するには至らない」とまったく重視しなかった。一方、晃子さんが提出した家計簿は「記載時期や目的が不明」とし、こちらも性交渉の裏付けにはならないと一蹴した。
亮輔さんが一定期間、県外に出かけていたことは認めたものの、懐妊時期が特定できないため「物理的に不可能」という主張も説得力がないとして採用せず。 長女の血液型をどう見るかという点は、亮輔さんと晃子さんの子供だとしても矛盾しないという意味しかなく、「長女の血縁上の父子関係を積極的に根拠づけるものではない」と、これまた重きを置かなかった。

家裁は結局、何を決め手に亮輔さん勝訴としたのか。意外というべきか、当然というべきか、それは未実施のDNA鑑定だった。判決は、晃子さんが鑑定を拒否した理由について「合理的な説明を行っているとは認められない」と指摘。DNA鑑定で反証を行うのは容易であるのに、晃子さんがこれをしないことを踏まえ、「原告と女児の間に血縁上の父子関係は存在しないことを推認するのが相当だ」と述べた。

科学が突きつける事実は重く、峻厳だ。DNAを調べれば、シロクロはっきりするというのは、まさにその通り。ただ、一方的に不貞を疑われているという晃子さんの言い分が事実とすれば、なぜ自分が子供にDNA鑑定まで強いて潔白を証明しなければならないのかと、やるせない気持ちになるのも理解できる。男女の愛憎、親子関係、いずれも単純には割り切れないテーマではある。晃子さんは判決を不服とし、控訴した。

以上:3,233文字

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