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枕営業判決報道に違和感-不貞行為第三者責任学説紹介もしていただきたい

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平成27年 6月 6日:初稿
○1年以上前の平成26年4月14日東京地裁判決(判タ1411号312頁)の枕営業不法行為責任棄却判決が話題になっています。以下の2件の報道は、不貞行為第三者責任が当然の前提としてなされていることにガッカリしました。私は、このHPの大分類「男女問題」の中の中分類「不倫問題」で「間男・間女?」の責任に関する判例・学説を紹介してきました。

○私の感覚では、「間男・間女?」の責任に関して軽減化・否定化の方向に世の中が動いているかと思っていましたが、以下のニュース報道に関する限り、日本では、いまだ不貞行為第三者責任が当然の前提となっているようです。私は、「不貞行為第三者責任岩月論文紹介-最近の有名学説の紹介部分」に記載したとおり、「好きになる・嫌いになる」との男女間の感情即ち相手の心変わりを金銭支払という圧力によって制御・支配しようとする感覚に強い違和感を覚えるようになっています。

○ですから、妻のホステスさんに対する不貞行為第三者責任としての慰藉料請求を棄却するのは、当然の結果と思っていましたが、「枕営業」と言う理由を前面に出したのが問題にされています。枕営業なんて理由はつけず、堂々と、責任を負うのは夫であり、第三者は原則として責任がないとの最近の学説で理由付けして頂きたかったのですが。記事を書く新聞記者さんには、判例だけでなく最近の学説も勉強して紹介して頂きたいものです。「不貞行為第三者責任岩月論文紹介-最近の有名学説の紹介部分」に要旨を紹介しています。

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ホステスが枕営業判決に違和感 「会話で喜ばせるのが仕事」
2015.06.05 11:00 ※女性セブン2015年6月18日号


 世間を驚かせた、銀座クラブママ“枕営業”判決。7年以上にわたって会社経営者の男性と不貞行為を続けた銀座のクラブのママに、男性の妻が慰謝料400万円の支払いを求めて起こしたところ、ママが男性と肉体関係を結んでいたのは優良顧客を確保して店の売り上げに貢献するための営業活動で、不倫でもなければ不貞行為でもなく、夫婦関係を乱すものでもなかったと判断されたのだ。

 さらに、今回の判決文にはこんな文言もあり、世の女性だけでなく、現役のホステスやクラブ関係者にも大きな衝撃を与えている。

《クラブのママやホステスが、自分を目当てとして定期的にクラブに通ってくれる優良顧客や、クラブが義務付けている同伴出勤に付き合ってくれる顧客を確保するために、様々な営業活動を行っており、その中には、顧客の明示的又は黙示的な要求に応じるなどして、当該顧客と性交渉をする「枕営業」と呼ばれる営業活動を行う者も少なからずいることは公知の事実である》

 憤りを露わにするのは銀座のクラブの現役ホステス(31才)だ。

「ホステスは肉体でなく会話でお客様を喜ばせるのが仕事です。私たちはどんなお客様にも満足して帰ってもらえるよう、常に新聞を読んだり、ニュースを見て勉強しています。相手の話にただうなずくだけでなく、きちんとコミュニケーションを取って会話を弾ませるのはとても難しいこと。それなのに、まるで枕営業が当たり前かのように…。今回の件はホステスの地位を貶められたようで残念です」

 六本木のホステス(26才)は“同僚”に怒りの矛先を向ける。

「面と向かって話を聞いたりはしませんが、枕営業をしているホステスがいるのは事実です。でも、女がひとりで生きていくには美容や教養など大変な努力が必要で、枕営業だけしていればお客さんに来てもらえるような甘い世界じゃない。一部の人のせいで、私たちが売春婦のように見られるのは納得いきません。それに、多くの男性は一度寝ると目的を達成したからか、そのホステスを安く見るようになり、店に来なくなります。ところが今回の場合7年も関係が続くなんて、単なる営業活動ではないでしょう」

 一方で、ママに対しての辛辣な意見もある。今回の裁判では、ママは一貫して男性との肉体関係を否定していたが、銀座のママ(38才)がこう訝しむ。

「本当のところはわからないけど、もし肉体関係を持って恋愛関係だったのに“不倫にされず、慰謝料も払わなくてラッキー”とか思っているんだったら、最低ですよね。こんな裁判になるようなことをするから私たちが誤解されるんです。私たちはお客様の奥さまにも気を使っていますよ。もっとホステスはプライドを持っているべきなのよ」

 枕営業が恒常的に存在していると認めたような今回の判決で、店側が迷惑を被ることも考えられる。フラクタル法律事務所の田村勇人弁護士が言う。

「客の中には“おれはこんなに店に通ってお金を使っているんだから、やらせろよ”と肉体関係を迫る人も出てくると思います。判決には《クラブの料金には性的関係の対価が間接的に含まれている》という趣旨のことも含まれていますからね。すると逆に“おれは肉体関係は望んでいないんだから、料金をもっと安くしろよ”と言い出す人がいるかもしれません」


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「不倫」か「枕営業」か、判決波紋 探偵業界も衝撃
朝日新聞デジタルニュース 2015年6月3日05時07分


東京・銀座のママと客の関係は、「不倫」ではなく「枕営業」である。東京地裁が出したこんな判決が波紋を呼んでいる。クラブで結ばれた男と女、それは不倫なのか、営業なのか? 線引きできるものなのか?

銀座のクラブママが夫に「枕営業」 妻の賠償請求を棄却
 ママと男性客の社長が約7年間、繰り返し肉体関係をもったとして、男性の妻が「精神的苦痛を受けた」とママに慰謝料400万円を求めた裁判。始関正光裁判官が昨年4月に出した判決はこうだ。

 対価を得て大人の関係を持つのと同様に、ママは商売として応じたに過ぎない。だから、結婚生活の平和は害しておらず、妻が不快に感じても不法行為にならない。枕営業をする者が少なからずいることは「公知の事実」で、客が払う飲食代には枕営業の対価が間接的に含まれる。

 こうして、「不倫だ」との妻の訴えを退けた。

 「妻の立場をあまりにも軽んじる判決」「枕営業なら不法行為じゃないっておかしい」。判決が報じられると、ツイッター上に妻たちの怒りが飛び交った。

 男女の性的関係が不倫か営業か、区別を示した判例はあるのか。不倫訴訟に詳しい田村勇人弁護士は「直接争われた事例は聞いたことがない」。ただし、「既婚者と関係を持てば、遊びだったか愛情があったかを問わず配偶者に慰謝料を払う義務がある」とした1979年の最高裁判決以降、既婚者と知って関係を持てば賠償責任を負うとの考えは定着しているといい、ホステスに慰謝料の支払いを命じた判決もある。

 それだけに、今回の判決については「7年もの長期間の関係を『営業』と言い切る感覚は疑問だ。特異な判決として埋もれていくのでは」と指摘する。

 「探偵業界にとって衝撃の判決だ」と話すのは、大手探偵会社「MR」(東京都)の広報担当、橋本文良さん。同社は年間千件ほどの浮気調査をするが、水商売の女性が浮気相手というケースは全体の2~3割をしめる。配偶者の浮気の証拠を押さえて慰謝料請求につなげたいと調査依頼する人が多いが、「浮気相手が水商売だと慰謝料が取れないとなれば、依頼を見送る人もいるだろう。我々の仕事が減りかねない」。

 「枕を重ねる」「枕を交わす」など、日本では古くから、男女の関係を「枕」を使って表現してきた。大辞泉(小学館)は、枕営業の意味を「契約成立の交換条件として顧客と性的関係を結ぶこと」と説明する。

 銀座の「枕営業」は本当に「公知の事実」なのか。クラブ歴7年のホステス(32)は「客とそういう関係になる話を聞くこともある」。売り上げのノルマを課す店もあるといい、「人によっては、客を呼ぶ有効な手段なのかもしれない」。判決については、「7年でしょ。ママには恋愛感情があったと思う。なければ続かない」。判決は確定し、ママは慰謝料から逃れた。でも、「ママはもう銀座では生きていけないのでは。だとすれば慰謝料以上のものを失った」。

 銀座歴42年のママ(71)は「人間だから妻子がいてもお客さんを好きになることはある。でも『枕営業』と言われるのは心外」と話す。知性と会話で客を楽しませてこそ銀座のプロとの意識があるからだ。ただ、好きな客と一緒にいる時は「楽しいという感覚。だけど、どこかで『店に来てほしい』とも思っている」。だから、不倫か営業かの線引きは「ファジーです」。

 商品が時に、男女関係の暗喩になる枕業者。「枕工房 待夢(たいむ)」(東京・神楽坂)を営む岡田晃さん(55)は、人生の3分の1を占める睡眠時間を良質にしてほしいと毎日、枕を売る。「枕営業」と聞けば、あまりいい気はしない。「枕への敬意に欠けてますから」

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