仙台,弁護士,小松亀一,法律事務所,宮城県,交通事故,債務整理,離婚,相続

旧TOPホーム > 男女問題 > 面会交流・監護等 >    

平成26年12月4日福岡家裁審判-面会拒否で親権変更記事内容確認

男女問題無料相談ご希望の方は、「男女問題相談フォーム」に記入してお申込み下さい。
平成27年 2月26日:初稿
○毎日新聞が平成27年2月23日付けで、離婚などが理由で別居する親と子供が定期的に会う「面会交流」を巡って、離婚して長男(7)と別居した40代の父親が、親権者の母親が拒むため長男と会えないとして、親権者の変更を申し立てた家事審判で、平成26年12月4日福岡家裁審判で、父親の訴えを認め、親権者を父親に変更する決定を出していたことを報道して、話題になっています。

○しかし、この毎日新聞報道は少し不正確で、親権者は父に変更するも、監護権は母親に留めており、実際の養育は母親に認めていますので、父親が親権者変更により子を引き取ることはないようです。以下の、平成26年12月18日付大分合同新聞報道が正確なようです。

*******************************************

父親に親権変更 「面会交流」合意守られず 福岡家裁
12月18日大分合同新聞


離婚によって別々に暮らす父親と子どもが定期的に会う「面会交流」を認めるのを前提に母親が親権者となったのに、母親の言動が原因で子どもが面会に応じていないとして、福岡家裁が家事審判で親権者変更を求めた父親側の申し立てを認めたことが17日、分かった。「母親を親権者とした前提が崩れている。母親の態度の変化を促し、円滑な面会交流の再開にこぎつけることが子の福祉にかなう」と判断した。4日付。

 父親側の代理人を務めた清源(きよもと)万里子弁護士(中津市)は「面会交流の意義を重視した画期的な判断」と評価。虐待が判明するなどしなければ、母親が持つ親権が父親に移ることはほぼなく、面会交流を理由に親権者変更を認めたのは全国の家裁でも極めて珍しいという。

 発端は関東に住んでいた30代夫婦の離婚調停。双方が長男(現在は小学生)の親権を望んだ。母親は協議中に長男を連れて福岡県へ転居。最終的には、離れて暮らす父親と長男の面会交流を月1回実施するのを前提に、母親を親権者とすることで2011年7月に合意した。

 もともと父親と長男の関係は良好だったが、面会交流は長男が拒否する態度をみせうまくいかなかった。父親側は「母親が拒絶するよう仕向けている」と12年9月に親権者変更などを福岡家裁に申し立てていた。

 家裁は家裁内のプレイルームで「試行的面会交流」を2回実施。長男は1回目は父親と2人で遊べたが、2回目は拒否。家裁は、長男が「(マジックミラーで)ママ見てたよ」といった母親の言動を受け、1回目の交流に強い罪悪感を抱き、母親に対する忠誠心を示すために父親に対する拒否感を強めたと推認するのが合理的と指摘。面会を実施できない主な原因は母親にあるとした。

 その上で、家裁は親権を父親、監護権を母親へ分けるべきだと判断。「双方が長男の養育のために協力すべき枠組みを設定することが有益。子を葛藤状態から解放する必要がある」とも指摘した。


*******************************************

○離婚紛争で最も多いのが親権争いで、これを解決する便宜的方法として、親権を父親、監護権を母親にする例は、家裁実務では良くあります。一応、親権と監護権の違いは以下の通りです。
親権者の権利義務
①身上監護権(民820乃至822)、②財産管理権および代理権(824)、③法定代理権および同意見(5、787,791Ⅱ)の三種
監護権者の権限
15歳未満の子の代諾縁組同意権(797Ⅱ)
但し、監護者の定めをしたときは、親権者の①身上監護権は監護権者の権限に帰属し、親権者は①身上監護権を有しない


○親権の実質は、身上監護権要するに引き取って養育する権利が殆どで、②財産管理権および代理権(824)、③法定代理権および同意見(5、787,791Ⅱ)等は法律の絵に描いた餅みたいなものです。普通子供に帰属する財産はなく、また法定代理・同意権を行使する場面も殆どないからです。

○父親を親権者とするのは、中身は殆どないけれども親権者になったと言う精神的満足を得させるものですが、この福岡家裁審判は、正に父親に精神的満足を与え、且つ、母親には子供との面会交流実現に協力しなければならないとのプレッシャーを与えるための便宜的方策であり、その意味で賢明な解決と思われます。身上監護権まで父親に変更し、それまで母と一緒だった子を父に引き取らせるなんてことは子にとって迷惑この上ないからです。

参考条文
民法第797条(15歳未満の者を養子とする縁組)

 養子となる者が15歳未満であるときは、その法定代理人が、これに代わって、縁組の承諾をすることができる。
2 法定代理人が前項の承諾をするには、養子となる者の父母でその監護をすべき者であるものが他にあるときは、その同意を得なければならない。養子となる者の父母で親権を停止されているものがあるときも、同様とする。

第2節 親権の効力
第820条(監護及び教育の権利義務)

 親権を行う者は、子の利益のために子の監護及び教育をする権利を有し、義務を負う。

第821条(居所の指定)
 子は、親権を行う者が指定した場所に、その居所を定めなければならない。

第822条(懲戒)
 親権を行う者は、第820条の規定による監護及び教育に必要な範囲内でその子を懲戒することができる。

第823条(職業の許可)
 子は、親権を行う者の許可を得なければ、職業を営むことができない。
2 親権を行う者は、第6条第2項の場合には、前項の許可を取り消し、又はこれを制限することができる。

第824条(財産の管理及び代表)
 親権を行う者は、子の財産を管理し、かつ、その財産に関する法律行為についてその子を代表する。ただし、その子の行為を目的とする債務を生ずべき場合には、本人の同意を得なければならない。
以上:2,360文字

タイトル
お名前
email
ご感想
ご確認 上記内容で送信する(要チェック

(注)このフォームはホームページ感想用です。
男女問題無料相談ご希望の方は、「男女問題相談フォーム」に記入してお申込み下さい。


 


旧TOPホーム > 男女問題 > 面会交流・監護等 > 平成26年12月4日福岡家裁審判-面会拒否で親権変更記事内容確認