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離婚時年金分割制度と民法の財産分与制度とは別物2

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平成26年11月14日:初稿
○久しぶりに男女問題の「年金分割制度等」の話題で「離婚時年金分割制度と民法の財産分与制度とは別物」を続けます。当事務所は、男女問題事件は、交通事故に次いで多く取り扱っていますが、年金分割請求権が具体的に問題になったことはありません。
ところが、「離婚時年金分割制度と民法の財産分与制度とは別物」で、「この年金分割請求権は、民法第768条で認められた財産分与の趣旨を徹底するため、厚生年金法によって新たに認められた権利で、民法上の財産分与請求権とは別個のものと考えた方がよいでしょう。」と中途半端に記載していた点について、以下の質問を受けました。

質問1
財産分与と年金分割が別物というのは、学説・判例上異論のないのでしょうか。
4年近く前に書いた記事で、内容も殆ど忘れており、もう一度、シッカリ読み直し、関連文献も読み直しました。
 先ず財産分与は、民法第768条に「協議上の離婚をした者の一方は、相手方に対して財産の分与を請求することができる。 」と規定された「相手方配偶者」に対する私法上の請求権ですが、年金分割請求権は、厚生年金法第78条の2に「第1号改定者(略)又は第2号改定者(略)は、離婚等(略)をした場合であつて、次の各号のいずれかに該当するときは、厚生労働大臣に対し、当該離婚等について対象期間(略)に係る被保険者期間の標準報酬(略)の改定又は決定を請求することができる。」と規定された「厚生労働大臣」に対する公法上の請求権です。
 財産分与請求権は民法上の権利、年金分割請求権は厚生年金法上の厚生大臣に対する権利という意味で両者全く別物と考えて宜しいでしょう。

質問2
離婚協議の際、協議書に年金分割の定めを入れないで、『当事者間に他に債権債務がないことを確認する。』との清算条項を入れた場合、年金分割請求は出来なくなるのでしょうか。
 この質問は、前記財産分与請求権は民法上の相手方配偶者に対する権利で、年金分割請求権は厚生年金法上の厚生大臣に対する権利であるとの法的性格から、結論は明らかでしょう。「当事者間に他に債権債務がないことを確認」しても、この当事者が異なるので、このような清算条項があっても、後日、年金分割請求が出来るというのが論理的帰結です。

 但し、「離婚時年金分割請求権放棄合意が有効とされた例」記載の通り、年金分割をしないとの合意即ち按分割合ゼロとする合意でも、公序良俗に反するなどの特別の事情がない限り有効です(平成20年6月16日静岡地裁浜松支部審判・家月61巻3号64頁)。

 ですから、当事者間で単に「他に債権債務がないことを確認する。」だけではなく、「年金分割の申立はしない」と言う合意があったと認められる場合、この合意は「公序良俗に反するなどの特別の事情がない限り有効」ですので、この合意に違反して年金分割の申立をして年金分割が認められた場合、その合意を無視した相手方に対し約束違反を理由とした損害賠償請求ができるはずです。

 但し、年金分割には、
①合意分割;当事者の合意または合意に代わる家庭裁判所の決定を受け,それに基づき標準報酬改定請求をするもの、
②当然(3号)分割;夫婦の一方が被扶養配偶者(専業主婦等)である期間(平成20年4月以降に限る)について当然に2分の1に分割されるもの

の2種があり、①は、家庭裁判所での調停や審判手続で「年金分割の申立はしない」と言う合意を主張して「合意に代わる決定」が出ないようにする手段があります。
しかし、②については、法律上、年金分割の審判や調停がなくても、当然に分割されるので、「年金分割の申立はしない」と言う合意があったとしても、法律違反で無効と思われます。
以上:1,519文字

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