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子供名義預金が財産分与対象にならないとした判例全文紹介

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平成26年 1月12日:初稿
○子供名義預金が財産分与対象になるかどうかの判断をした裁判例を探しているのですが、なかなか見つかりません。現時点で見つかっている平成9年3月27日高松高裁判決(家月49巻10号79頁、判タ956号248頁)全文を紹介します。なお、原審平成8年3月28日高松地裁判決(判タ956号250頁)には子供名義預金についての判断はありません。

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主文
一 本件控訴を棄却する。
二 訴訟費用は控訴人の負担とする。 
 
事実及び理由
第一 控訴の趣旨

一 原判決中、控訴人敗訴の部分(ただし、離婚請求に関する部分を除く。)を取り消す。
二 (慰謝料請求)
 被控訴人は、控訴人に対し、500万円及びこれに対する本判決確定の日の翌日から支払済みまで年五分の割合による金員(原審請求減縮)を支払え。
三 (親権者の指定)
 控訴人と被控訴人間の三女甲野秋子(昭和51年11月22日生)の親権者を控訴人と定める。
四 (財産分与)
 被控訴人は、控訴人に対し、相当額の財産(原判決別紙目録記載の各建物及び1100万円及びこれに対する本判決確定の日の翌日から支払済みまで年五分の割合による金員)を分与せよ。

第二 請求・事案の概要
 原判決の「事実及び理由」欄の第一・第二記載のとおりであるから、これらを引用する。ただし、三枚目表10行目の「2774万円」を「1100万円」に改める。

第三 当裁判所の判断(ただし、不服申立てのない双方の離婚請求及び被控訴人の慰謝料請求については、判断しない。)
一 当裁判所も、控訴人の慰謝料請求は、理由がないから棄却すべきであり、財産分与は、原判決が認めた限度において相当であると判断する。その理由は、次に補正するほか、原判決の「事実及び理由」欄第三の各関係部分記載のとおりであるから、これを引用する。
1 六枚目裏三行目の「5年」を「6年」に改める。
2 七枚目裏六行目から八枚目表10行目までを次のように改める。

「四 財産分与の申立てについて
1 証拠(乙二、控訴人本人、被控訴人本人、弁論の全趣旨としての被控訴人の平成8年8月30日付準備書面・控訴人の平成8年9月24日付準備書面の各記載、認定事実中括弧書きの証拠)を総合すれば、財産分与の対象財産としては、①婚姻前からの控訴人所有地に昭和53年2月新築の木造瓦葺二階建居宅一棟(床面積一階49.40平方メートル、二階43.32平方メートル、平成5年度の固定資産税評価額306万4237円)(甲三の1・2、四)、②控訴人の親族からの借地に昭和53年11月新築の鉄骨造スレート葺平家建工場一棟(床面積47.24平方メートル、平成5年度の固定資産税評価額101万5546円)(甲三の3、四)及び工場備付物・供用物、③控訴人名義の預金106万6853円、被控訴人名義の預金211万2828円、④控訴人の弟に対する貸金150万円、⑤積水ハウス株式1000株、ソマール株式120株15万8400円、⑥第一勧業銀行高松支店普通預金7254円、⑦小規模企業共済積立金122万円(甲20)があることが認められる。このほかには、控訴人及び被控訴人の各主張財産の存在を肯認できる的確な証拠はない。なお、控訴人は、右認定の財産のほか、長女春子名義の預金243万3546円及び三女秋子名義の預金137万3991円も、財産分与の対象に含めるべきであると主張するが、いずれも子に対する贈与の趣旨で預金されたと認めるのが相当であるから、財産分与の対象財産とならない。

2 控訴人は、婚姻期間中控訴人が過当に婚姻費用を負担したから、その過当に負担した婚姻費用も、離婚に伴う財産分与に際して清算されるべきであると主張するので、この点を検討する。
 離婚訴訟において裁判所が財産分与を命ずるに当たっては、夫婦の一方が婚姻継続中に過当に負担した婚姻費用の清算のための給付をも含めて財産分与の額及び方法を定めることができると解するのが相当である(最高裁昭和53年(オ)第706号、同年11月14日第三小法廷判決・民集32巻八号1529頁参照)。しかしながら、夫婦関係が円満に推移している間に夫婦の一方が過当に負担する婚姻費用は、その清算を要する旨の夫婦間の明示又は黙示の合意等の特段の事情のない限り、その過分な費用負担はいわば贈与の趣旨でなされ、その清算を要しないものと認めるのが相当である。しかるところ、右の特段の事情の認められない本件においては、夫婦関係が破綻にひんした後に控訴人が過当に負担した婚姻費用に限り、その清算を財産分与に際して求めることができるというべきである。

 本件についてこれをみると、証拠(甲4、25、30の1?7、31の1?7、32の1?3、控訴人本人、被控訴人本人、弁論の全趣旨としての控訴人の平成8年11月5日付準備書面三項の記載)を総合すれば、平成2年12月27日の別居後、被控訴人は、会社員として働き、自己の生活費のほか、長女春子及び三女秋子の監護費用(ただし、控訴人の預金口座から引き落とした春子(別居当時高校生)及び秋子(別居当時中学生)の各学費を除く。)を負担し、控訴人は、前記学費と自己の生活費を負担したことが認められる。以上の事実に照らせば、別居後控訴人が婚姻費用を過当に負担したとはいえないから、この点に関する控訴人の主張は採用の限りでない。

3 前記1認定の事実(なお、建物価格はその固定資産税評価額の3倍程度であることが、当裁判所に顕著であること)に、前記のとおり引用する原判決第三の一の事実を併せ考慮すると、財産形成についての寄与割合は五分五分とみて、控訴人は、被控訴人に対し、離婚に伴う清算的財産分与として、少なくとも850万円を給付するのが相当であり、被控訴人から控訴人に対し、財産分与として給付を命ずるべきものはない。なお、前記1の①の居宅と②の工場及び工場備付物・供用物は、控訴人の所有とするのが相当である。」

二 よって、原判決は相当で、本件控訴は理由がない。
 なお、原判決主文第二項の親権者指定の裁判は、三女秋子が平成8年11月22日に成年に達したことにより、失効した。
 (裁判長裁判官 渡邊貢 裁判官 豊永多門 裁判官 奥田正昭)
 
 

以上:2,591文字

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