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別居期間8年での有責配偶者離婚請求認容最高裁判例全文紹介2

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平成25年 7月 6日(土):初稿
○「別居期間8年での有責配偶者離婚請求認容最高裁判例全文紹介」の続きで、上告代理人の上告理由です。



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 上告代理人○○○○の上告理由
第一 原判決の事実認定〈省略〉

第二 上告理由第一点、家庭内別居につき審理不尽
一 原判決は、いわゆる相当長期の別居期間につき、明確に別居を開始した以降の経過期間のみを相当長期に亘るかどうかと判断するところである。

 しかし同居期間においても、控訴人と被控訴人間の婚姻関係は前記第一の二の原判決の認定の如く、その実質はいわゆる家庭内別居の状態であり、かかる場合には「相当長期」の判断については、別居期間として算入されるべきである。

二 本件婚姻関係における家庭内別居は、被控訴人の離婚意志の発生した昭和47年頃からのことであり、少なくとも別居開始3年前からは夫婦関係がなくなり、家庭内別居の状況にあったものというべきである。

三 しかしながら原判決は、別居に至る昭和56年夏頃までを昭和33年3月から23年間同居期間と認定し、婚姻生活としての実態を備えていないとは認めがたいと認定するところであり、かかる認定は同居期間の実態につき、3年間の夫婦生活の断絶の有無についても充分な審理を尽くさなかったものというべきである。

四 けだし、原判決が別居開始前3年間だけのこととしても、いわゆる家庭内別居の状態を認定した場合には、その期間が3年間であったとしても原判決の結果に影響を与える結果となったというべきだからである。

第三 上告理由第二点、相当長期の別居期間の判断の誤り
一 原判決は、控訴人の婚姻関係継続の希望の実態につき、控訴人自身被控訴人との婚姻関係が客観的に破綻し、回復することが全く不可能であることを知悉しながら、離婚条件として被控訴人所有の土地建物の債務を被控訴人が負担したまま、慰謝料若しくは財産分与としてその所有権を移転するのであれば、いわゆる協議上の離婚に応ずるが、そうでなければどのような提案もこれを拒絶し、客観的に婚姻関係が破綻したとしても婚姻を継続するという主として財産上の配慮による婚姻関係継続の意思ということを誤解しているというべきである。

二 原判決は、控訴人の婚姻関係継続の希望と被控訴人の有責配偶者としての責任との関係で、その免責の条件がいわゆる相当長期の別居期間の経過とみなされている。

三 本件婚姻関係において、すでに未成年の子はなく、原判決九丁表において、離婚に伴なう財産関係の清算につき、充分な提案がなされ、その総額は1億数千万円の対価であるにかかわらず、控訴人はこれを拒み、その離婚条件として、3億余円の時価評価のある被控訴人所有の土地建物と、同各不動産に設定登記ある9千万円に達する銀行よりの債務を被控訴人が負担することを求め、被控訴人に対し履行不可能な条件を提示したことにより、被控訴人の誠意ある提案を合理的理由なく拒絶し、且つ、同各不動産に対し、処分禁止の仮処分をなすに至っているものである。

四 そこで、右相当の長期間は、婚姻関係継続の実質的理由と有責配偶者の責任として離婚に伴なう財産関係の清算につき、誠意ある解決の提案をなしたかどうか、との相関関係において理解されるべきところというべきである。

五 よって、8年の別居に至る婚姻関係の実態、離婚に伴なう清算についての誠意ある提案、これに対し、別居前の多額の生活費を受け取るのみの事実上の家庭内別居状態の継続とこれによる別居の開始継続が、8年間におよんだ場合には有責配偶者としての責任はこれを許容するとしても、離婚の請求を安易に承認させる結果となることはなく、相当な期間は経過したものというべきであり、原判決は、かかる解釈を誤ったものというべきであり、判断の誤りは原判決の結果に影響を与えること明かである。


以上:1,602文字

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