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平成18年6月14日東京地裁判決全文紹介1-不貞行為第三者責任限定

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平成25年 2月21日:初稿
○「不貞行為第三者責任岩月論文紹介-最近の有名学説の紹介部分」に続けて最近の不貞行為第三者責任に関する平成18年6月14日東京地裁判決全文を紹介します。
不貞行為第三者責任として500万円の慰謝料請求を全て棄却していますが、残念ながら、不貞行為第三者責任を完全否定したものではありません。

○しかし、「婚姻関係の平穏は第一次的には配偶者相互間の守操義務,協力義務によって維持されるべきものであり,不貞の相手方において自己の地位や不貞配偶者の弱点を利用するなど悪質な手段を用いて不貞配偶者の意思決定を拘束したような特別の事情が存在する場合を除き,不貞により婚姻破綻したことについての主たる責任は不貞を働いた配偶者にあるというべきであって,不貞の相手方の責任は第二次的,副次的なものとみるべき」、
そして
不貞行為は不貞をした配偶者とその相手方の共同不法行為であって,不貞を理由とする不貞をした配偶者の離婚慰謝料支払債務と不貞の相手方が負う慰謝料支払債務は不真正連帯債務の関係にあるところ,被告より責任の範囲,債務負担額が大きいAが全額弁済したことによって原告の全損害が填補されたものと認められるから,被告の損害賠償債務は消滅した」と述べている点が重要です。
この判決に対する私の感想は、別コンテンツで述べます。

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主   文
1 原告の請求を棄却する。
2 訴訟費用はこれを2分し,その1を被告の,その余を原告の各負担とする。

事実及び理由
第1 請求

 被告は,原告に対し,金500万円及びこれに対する平成17年2月6日(訴状送達の日の翌日)から支払済みまで年5分の割合による金員を支払え。

第2 事案の概要
 本件は,原告とA(以下「A」という。)の婚姻中,被告がAと男女関係をもち,これを継続した共同不法行為により原告とAの婚姻関係が破たんし,原告が甚大な精神的苦痛を被ったとして,原告から被告に対して慰謝料を請求する事案である。

1 前提事実(当事者間に争いがないか,括弧書きした証拠及び弁論の全趣旨により認められる。)
(1)原告(昭和46年○月○日生)とA(昭和45年○月○○日生。旧姓B)は,平成15年5月31日に婚姻の届出をし,以後,原告肩書住所地で婚姻生活をしていた(甲1,2)。

(2)Aは,旧姓のBと名乗って,同年6月から旅行代理店業の株式会社C(以下「訴外会社」という。)で勤務していた。原告も別の旅行代理店業の会社に勤務していた。

(3)被告(昭和49年○月○日生)は,Aが入社する前から,訴外会社に勤務しており,妻子がおり,Aが婚姻していることを知っていた。

(4)Aは,平成16年1月ころ以降,被告と同じ担当となり,被告の下で働くようになった。

(5)Aは,同年5月8日,原告に対し,離婚の申出をした。

(6)Aと被告は,そのころから後記転居後まで,メールのやり取りを頻繁にしていた(甲4の2,5の1ないし5)。

(7)原告は,同月27日午後11時過ぎ,ホテルインターコンチネンタル東京ベイ(インターコンチネンタル)に赴いたところ,Aと被告が客室内におり,被告は,仕事であると弁明した。

(8)Aは,同年7月3日,原告方自宅を出て,江戸川区(以下略)に転居し,原告と別居した。

(9)被告は,同月10日(届出転居日),妻の実家の福島県相馬市に転居した妻子と別れ,その肩書住所地に転居した(甲3,乙8)。同所とAの転居先とは,1キロメートルほどの距離にある。

(10)Aは,原告に対し,離婚を求める調停を経由して,離婚を求める訴訟を提起したところ,原告は,Aが有責配偶者であるとして請求棄却を求め,Aの不貞行為により婚姻破たんしたとして,離婚及び慰謝料500万円を求める反訴を提起した(東京家庭裁判所平成17年(家ホ)第241号離婚請求事件,同第391号同反請求事件。以下「別訴」という。甲18)。

(11)別訴で,原告は本訴と同様の主張をし,本訴で提出されたのと同じ書証(甲1,5,7ないし10,14ないし17,乙1,5,9等。枝番を含む。)が提出され,被告の証人尋問並びに原告及びAの各本人尋問(甲11ないし13)が行われて,裁判所は,平成17年12月22日,Aが被告と親密かつ不適切な関係を有した結果,原告との婚姻関係が破たんした,Aの供述等及び被告の証言は到底信用することができないとして,Aの離婚請求を有責配偶者からの請求として棄却し,原告の離婚請求及び慰謝料請求を250万円の限度で認容する判決(別訴判決)を言い渡した(甲18)。

(12)これに対して,Aは,控訴したが,平成18年4月13日の第1回口頭弁論期日に控訴を取り下げ,別訴判決は確定した。

(13)Aは,別訴判決に従い,原告に対し,平成18年4月18日までに,認容慰謝料250万円及びこれに対する遅延損害金の合計261万4383円を弁済した。

(14)被告は,本訴に提出した陳述書(乙11の1)において,原告について「妄想癖」,「同じ30代の社会人としては心の中で大爆笑でした。何度も言いますが,そのような向上心のなさや学ぶことを知らないこと,恥ずべき事を声に出して誇らしげに言うあたりが愚か極まりないと感じました。私からすれば,このような人間と真剣に話したら愚かさがうつりそうな気がして気分が悪くなりました。」,「原告は時間と力を使う部分が見当違いな人間で,自分の学歴の無さをいつまでも言い訳にしているだけで,努力だとか向上したいという信念を持っていない,昼行灯みたいな人間だと感じました。」などと表現した。

2 争点及び当事者の主張
(1)被告がAと男女関係をもち(以下「不貞行為」ともいう。),これにより原告とAとの婚姻関係が破たんしたか。
ア 原告の主張

 前提事実(3)ないし(10),Aが被告に対して送信したメールの内容は男女関係があることをうかがわせるものであること,Aが上記ホテルの宿泊以外にも仕事と称して外泊,旅行をしていること,Aや被告の説明が不自然であること等に照らすと,被告とAは,平成16年2月ころには単なる職場の同僚という関係以上の間柄になり,遅くとも同年4月ころには男女関係にあったものである。

イ 被告の主張
 被告は,Aと男女としての交際をしておらず,不貞行為をしていない。また,原告とAは,別居によりその婚姻関係が破たんしたのであり,その後の事情が婚姻関係破たんの原因となることはない。

(2)被告の原告に対する損害賠償債務が弁済(Aの原告に対する損害賠償金の支払)により,消滅したか。
ア 原告の主張

 被告は,Aとの不貞行為という共同不法行為により,婚姻共同生活の平穏維持という原告の権利を侵害したのみならず,別居を促し,その後も事実関係を隠蔽,歪曲し,更には原告を誹謗中傷するなど,被告独自の一連の行為によって原告に深い精神的苦痛を与えているから,Aの損害賠償金の支払により,被告の原告に対する損害賠償債務は消滅しない。

イ 被告の主張
 別訴判決で認定されたAと被告の共同不法行為に係る損害賠償金をAが支払ったことにより,被告のAとの共同不法行為による原告に対する損害賠償債務は消滅した。また,被告は,真実を述べたもので,原告を誹謗中傷していない。


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