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妻の不貞相手の子を我が子として20年近く養育した例3

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平成24年 6月 9日:初稿
○「妻の不貞相手の子を我が子として20年近く養育した例2」の続きです。
私は、「問題は、我が子でないCのための20年間分養育料1800万円の返還請求で、これに対する判断は、別コンテンツで説明します。」と述べていましたが、先ずは、平成21年3月18日東京地裁判決での、この問題についての回答部分を紹介します。詳細な理由を挙げて、Aの請求を退けています。Aとしては、踏んだり蹴ったりの不当な判決と思ったでしょうが、私自身はやむを得ない結論と思っております。その理由等については、別コンテンツで説明します。

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平成21年3月18日東京地裁判決一部

2 争点2(原告の本訴不当利得返還請求の当否)について

(1)原告は,原告が,C出生時から同人が20歳になるまでの間に被告に対して交付した同人の養育費相当額は,同人が原告の子でなかった以上,法律上の原因のない支出というべきである旨主張する。

(2)しかしながら,原告の被告に対するCの養育費相当額の交付は,民法760条所定の夫婦の婚姻費用分担義務に基づくものであったと解されるところ,上記養育費相当額の交付は,原告,被告及びCが一個の家族共同体を形成しているという事実状態ないし実体が存在していた当時になされたものであるから,そもそも,原告とCとの間に法律上の親子関係があったと否とに関わらず,原告は,被告に対し,上記義務に基づいて家族の一員をなすCの養育費を分担すべき義務を負っていたものと解するのが相当であって,たとえ,原告がその当時においてCが自分の法律上の子でないことを知らなかったとしても,上記判断は左右されないものというべきである。

(3)また,前記前提事実4及び5に加え,証拠〈乙1〉及び弁論の全趣旨を総合すると,原告は,前訴事件の控訴審において,第1審における慰謝料5500万円の主張を,経済的損害1800万円,精神的損害(慰謝料)3700万円とする旨変更したこと,上記の原告が主張した経済的損害とは,原告が本訴不当利得返還請求において主張している損失(原告が被告に対して交付したCの養育費相当額)と実質的に同一のものであったこと,これに対し,上記控訴審裁判所は「控訴人は,Cのために出捐した費用は本来負担する必要がなかったので経済的損害を被ったと主張するが,控訴人とCとの間に生物的親子関係はなかったとしても,妻である被控訴人が控訴人との婚姻中に懐胎,出産したCは法律的に家族の一員であり,一家の主として控訴人がその生活費を支出したことについて,これを損害ということはできないものというべきである。」と判示して,原告の経済的損害に係る賠償請求を棄却したこと,その後,原告は,平成20年6月13日に東京家庭裁判所に対してCとの間の親子関係不存在確認の訴えを提起した上で,同月20日に当庁に対して本件訴訟を提起したことが認められる。

 しかるところ,前記前提事実2及び5によると,Cは,被告が原告と婚姻中に懐胎した子であり,民法772条1項の嫡出推定を受ける者であったというのであるから,原告としては,本来,民法774条以下の規定によりCの出生を知った時から1年以内に嫡出否認の訴えを提起しなかった以上,もはや,Cが嫡出であることを否認することができないばかりか,上記の親子関係不存在確認の訴えも,原則として却下を免れなかったはずであって,それにもかかわらず,家庭裁判所が原告とCとの間に親子関係が存在しないことを確認する旨の審判をしたのは,両者の間に生物学的な親子関係がなかったという事情のみならず,原告と被告の離婚が既に確定していること,Cが既に成人して原告と生活を別にしていることに加え,C自身が上記審判を容認していることを総合考慮した結果によるものであったというのである。したがって,もしCが上記審判を容認しなかったならば,家庭裁判所が上記審判をすることはなかったであろうし,ひいては,原告の本訴不当利得返還請求は,主張自体失当に終わったはずである。

 そうすると,仮に,原告が被告に対してCの養育費相当額に係る不当利得返還請求権を有しているとしても,上記のような諸事情の下においては,原告の本訴不当利得返還請求は,Cの上記の審判容認に乗じてなされた甚だしく不相当な権利行使といわざるを得ないから,権利の濫用として許されないものというべきである。

(4)したがって,その余の点を検討するまでもなく,原告の本訴不当利得返還請求も理由がない。
 (裁判官 佐藤英彦)

以上:1,897文字

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