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強制認知の訴え-調停前置主義で先ず調停申立から

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平成24年 5月25日(金):初稿
○「認知・養育料放棄誓約の効力-殆ど効力なし」で「子供が誕生する可能性がある性行為に及ぶ男性は、将来、自分の子供が生まれて、自分の収入が年収500万円あるとすれば、毎年50万円程度を子供が成年に達する20年間で1000万円程度支払うことを覚悟しておかなければなりません。養育料額は収入と関連しますので、収入が増えればもっと支払わなければならなくなります。」と記載していました。

○この最終的には1000万円にも及ぶ養育料義務が生じるのは、父親であることが前提です。そこで、子を産んだ相手の女性から養育料請求されても、自分はその子の父親でないとして認知をしなければ、法的には父親とはなりませんので、養育料支払義務も生じません。しかし、自ら認知しなくても、相手の女性或いは生まれた子供自身から認知の訴えを提起され、認知せよとの判決が出されると、法的には父親となり養育料支払義務が生じます。
これを自ら行う認知と区別して強制認知と呼ばれ、民法では次のように規定されてます。
第787条(認知の訴え)
 子、その直系卑属又はこれらの者の法定代理人は、認知の訴えを提起することができる。ただし、父又は母の死亡の日から3年を経過したときは、この限りでない。


○自ら行う認知は次の規定により、母親の承諾があれば妊娠中でも可能です。
第783条(胎児又は死亡した子の認知)
 父は、胎内に在る子でも、認知することができる。この場合においては、母の承諾を得なければならない。

では、母がまだ妊娠中に認知の訴えを提起することが出来るかと言うと、これは出来ません。前記第787条で認知の訴えを提起出来るのは「子、その直系卑属又はこれらの者の法定代理人」であり、民法第3条により「」としての「私権の享有は、出生に始まる。」と規定されているからです(明治32年1月12日大審院判例)。

○強制認知の訴えは、身分関係の形成又は存否の確認を目的とする訴えで、人事訴訟と呼ばれ(人訴法第2条)、当該訴えに係る身分関係の当事者が普通裁判籍を有する地又はその死亡の時にこれを有した地を管轄する家庭裁判所に訴えます(同4条)。但し、まず家庭裁判所の調停を申し立てて、不調になった場合や取り下げた場合に訴えを提起出来ます。
なお、家事事件の手続は、平成23年5月25日成立非訟事件手続法及び家事事件手続法の施行に伴う関係法律の整備等に関する法律第3条によって従前の家事審判法が廃止され、同時に成立した以下の家事事件手続法に規定されています。
第257条(調停前置主義) 第244条の規定により調停を行うことができる事件について訴えを提起しようとする者は、まず家庭裁判所に家事調停の申立てをしなければならない。
第244条(調停事項等)
 家庭裁判所は、人事に関する訴訟事件その他家庭に関する事件(別表第1に掲げる事項についての事件を除く。)について調停を行うほか、この編の定めるところにより審判をする。


○調停で認知を認めれば「合意に相当する審判」で認知の効力が認められる場合もありますが、調停で合意が成立しない場合、調停不成立となり、子(多くの場合、法定代理人親権者の実母が代理人として)は家庭裁判所に強制認知の訴えを提起出来ます。子は、意思能力が備わった時点では、法定代理人の同意を必要とせず、単独で認知の訴えを提起することが出来ます。意思能力が認められるのは、通常、10歳以上とされていますので、小学4,5年になれば、母親の同意なくして、強制認知の訴えを出すことが出来ます。

○普通は、生後まもなく、母親が法定代理人として強制認知の訴えを出すことが多いと思われますが、どの程度の立証で父子関係が認められるかについては、別コンテンツで説明します。
以上:1,535文字

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