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離婚原因の婚姻を継続しがたい重大な事由認定には先ず別居

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平成20年 2月 2日:初稿
○民法第770条で裁判上の離婚原因として、「不貞行為」、「悪意の遺棄」、「3年以上の生死不明」、「強度で不治の精神病」が定められていますが、究極の原因は5号「その他婚姻を継続し難い重大な事由があるとき」で婚姻破綻状態と言われています。

○実際の訴訟における離婚訴状は、最後に「以上の状況により原告と被告の婚姻は完全に破綻しており、よって離婚を求める。」と結ぶのが一般で、「不貞行為」、「悪意の遺棄」等を主張してもそれは婚姻破綻状況を形成した原因の一つに過ぎないとされます。このことを難しい言葉で表現すると離婚訴訟の訴訟物は民法770条1項5号に収斂すると言います。

○この「婚姻を継続し難い重大な事由」とは、「夫婦が婚姻継続の意思を実質的に失っており、婚姻共同生活を回復することが不可能であると客観的に判断できるような状態」と定義されており、「当事者双方が婚姻継続の意思を実質的に失っている」との主観的要素と、「社会から客観的に見て婚姻を修復させることが著しく困難か不可能」との客観的要素があります。

○この主観的要素か客観的要素のいずれかが認められれば婚姻破綻が認定されますが、離婚調停が成立しないのは片方が離婚を希望しても片方が拒否する場合で主観的要素が認められないので訴訟に至る例が圧倒的に多く、訴訟の場で問題になるのは客観的要素即ち「社会から客観的に見て婚姻を修復させることが著しく困難か不可能」の認定です。尚、離婚には双方合意しているが財産分与、慰謝料、親権者指定に争いがあって訴訟に居たる場合もありますが、この場合は調停でまとまる例が多く訴訟まで発展する例は余りありません。

○この客観的要素即ち「社会から客観的に見て婚姻を修復させることが著しく困難か不可能」を認定して貰うためには、通常、先の「不貞行為」の他には暴行・虐待、重大な侮辱、不労・浪費・借財等の明確な理由が必要ですが、最終的にはこれらを原因として別居に至っているとの事実が重要になり、実際、法律事務所に離婚訴訟の相談に来る例の多くは別居に至っています。

○なかには不貞行為、暴力、借財等明確な理由はないけれども、兎に角、性格が合わず相手が嫌いで仕方がなく、離婚を要求したが応じてくれないが、離婚できないでしょうかという相談もあります。この場合は、婚姻破綻の認定を得るのは難しいですので、先ず別居が必要ですよとのアドバイスになります。

○かように訴訟で婚姻破綻による離婚を認めて貰うには、最終的には別居が必要であり、相当期間の別居の継続があれば、客観的婚姻破綻が推定されますが、同居している場合に婚姻破綻が認められる場合は、先の主観的要素即ち双方離婚合意が成立している場合以外は殆どありません。
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