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離婚についての有責主義と破綻主義概観

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平成18年 2月 4日:初稿
○離婚理由としては「婚姻を継続しがたい重大な事由」があることが究極の決め手ですが、この重大な事由とは、「婚姻関係が破綻」している場合を言います。それでは「婚姻関係の破綻」が認められた場合、必ず離婚が認められるかというと、有責主義破綻主義の考え方で結論が別れます。

有責主義とは、相手方に不貞行為や遺棄など有責な原因があった場合にのみ離婚を認めるものです。この考えでは、極端に言えば長期間別居状態になり婚姻関係が完全に破綻して居る場合でも離婚を求める相手方に有責な原因がない限り離婚は認められません。

○これに対し破綻主義は、長期間の別居状態或いは同居していても家庭内離婚状態などの破綻状態になった場合相手方に有責行為が無くても離婚を認めるものです。一方が嫌になって別居した場合、仮に同居を命ずる裁判所の決定が出ても、同居を強制する手段はありません。裁判所が離婚が認めなくても嫌になったら出て行けば事実上の離婚は出来ます。この意味で、事実上の離婚は破綻主義と評価できます。

○いくら別居しても法的に夫婦である限り、収入のある夫は別居しても妻に対し婚姻費用分担義務があり、また夫が死んだら妻には2分の1の相続権が残ります。離婚を認めないとの判決が出たからと言って破綻した夫婦が元に戻ることはあり得ませんので、離婚を認めるか否かの結論は、結局、相手方に婚姻費用分担義務、相続権を残すかどうかの判断です。

○ですから財産のない妻が出て行って夫に離婚を求め夫がこれを拒否し、裁判所がこれを妻のワガママと認定して離婚を認めなくても、その効果は戸籍上の夫の地位が維持出来るだけで、別居状態を解消できず、実質的には何も変わりません。財産のない妻から婚姻費用も取れずまた相続の事態になっても何も取れるものはないからです。

破綻主義でも、不貞行為をするなどの有責配偶者からの離婚請求を認めない考えを消極的破綻主義と言い、それでも認める考えを積極的破綻主義と言います。判例は当初は有責配偶者の離婚請求を頑として認めず、消極的破綻主義の立場でしたが、戦後家族判例史上最も有名な昭和62年9月2日最高裁大法廷判決以来、徐々に積極的破綻主義に変わりつつあります。

○民法家族法改正要綱では、離婚原因として「夫婦が五年以上継続して婚姻の本旨に反する別居をしているとき。」を追加して、5年以上の別居があれば原則有責配偶者でも離婚できることを明確にしました。しかし、2項で「離婚が配偶者又は子に著しい生活の困窮又は耐え難い苦痛をもたらすときは、離婚の請求を棄却することができるものとする。」(苛酷条項)として、完全な破綻主義にはなっていません。

○他国の例では、イギリスが5年、フランスが6年、ドイツが3年、アメリカニューヨーク州が2年の別居で離婚を認める破綻主義を採用しています。鹿毛継雄氏の「欧米諸国の離婚法とわが国の離婚法」によると苛酷条項は残っているようですがあくまでこの苛酷条項は,離婚請求者の有責性を考慮したものではなく,子の福祉・離婚婦の保護を図ることを趣旨とするものであると解されているようで、日本においてこの趣旨で運用されるべきと思っております。
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