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結納金の性質とその返還義務について

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平成18年 1月 6日:初稿
H17-12-26更新情報で婚姻予約(婚約)成立要件について検討しました。婚約成立のための儀式の典型は結納式です。広辞苑によれば結納とは、「婚約の証として、婿・嫁双方からの金銭や織物・酒肴などの品物を取りかわすこと。また、その金品。納采。ゆいれ。」と説明されており、これがあれば正に婚約は成立します。

○結納時に通常は男性側から女性側に渡される結納金の相場は、給料の2,3ヶ月分と言われていましたが、2003年のアンケートでは平均97万円とのことです。

○結納の性質について、法律的には「婚約の成立を確認し、あわせて婚姻の成立した場合に当事者ないし当事者両家間の情誼を厚くする目的で授受される一種の贈与」であると定義され、結婚が成立すればその目的を達して返還義務は原則としてなくなります(昭和39.9.4最高裁判決)。入籍しなくても事実上夫婦共同生活が開始された場合も、結納の目的は達せられたので返還義務はなくなります。

○結納金は結婚の成立を目的とした贈与ですから、結婚に至らなかった場合は、目的を失いますので、原則として貰った方は返還しなければなりません。結婚に至らなかった理由が、支払った側の心変わりで婚約破棄を申し出た場合でも同様に貰った方は返還するのが原則です。

○しかし支払った方の心変わりによる婚約破棄の場合は、貰った側が支払った側の婚約不当破棄を理由とする慰謝料請求権との相殺を理由にして返済を拒むことが多く、又婚約を破棄する側でも結納金返還は求めないので婚約解消を認めて欲しいと主張する例が多く、それほど争いにはなりません。

○実務で良くある相談は、男性が100万円結納金を支払ったのに女性側から婚約を破棄されたので返還を求めているが女性側では、婚約解消は男性側にも問題があり、且つ婚約後半年も付き合ったのと主張して、返還を拒む例、或いは結婚は成立したけれども僅か1週間で女性が出て行ってしまって事実上夫婦共同生活は殆ど無かったので結納金の返還を求めたが拒否された言う例です。

○前者の婚約解消の場合でも女性側で半年も性関係を含めて付き合ってやったのだから十分元は取っているでしょうと言う主張が潜んでおり、後者の1週間の結婚期間の場合も曲がりなりにも結婚まで到達したのだから目的は達したとの主張に加えて、十分に元は取ったはずとの主張が潜んでいます。

○これらの主張の前提には性関係を持った場合、男性側が女性側に対価を支払って当然という意識が根底にあります。しかし昨今は女性もお金を支払って男性を買う時代になっており、男性が「元を取った」と言う考えも変わって然るべきと思っております。
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